SUPER JUNIORが築いた“我道”のスタイル 15年もの間存在感を放ち続ける理由を考察

SUPER JUNIOR『I THINK U』

 SMエンターテインメント所属のグループ・SUPER JUNIORが、『Hero』から6年半ぶりの日本オリジナルミニアルバム『I THINK U』を1月29日に発売し、そしてそのすぐ後に韓国でも9枚目のアルバム『Time_Slip』のリパッケージ盤である『TIMELESS』をリリースする。韓国の男性アイドルグループでもメンバーの兵役を乗り越えて活動を続けるグループは段々と珍しくなくなってはきたが、現役で定期的に活動し、ワールドツアーを引き続き活発に行うようなグループはまだ多くはない。今回は今年15周年を迎えるSUPER JUNIORの過去の軌跡から、現在のアイドル業界に及ぼした影響について振り返ってみたい。

 2005年に中国人メンバーであるハンギョンを含む12人でデビューした当時、日本のモーニング娘。からインスパイアを受けて結成されたと言われるSUPER JUNIORは、本家同様に「毎年メンバーが追加・あるいは入れ替わる流動性のあるグループ」だった。しかしファンからの猛反対で2006年に末っ子メンバーのキュヒョンが追加された後は13人の固定制となった経緯がある。当時これほど大人数のアイドルが売れた前例はなかったが、キュヒョン加入後にリリースした2枚目のシングル『U』では初動8万枚を売上げ初の音楽番組1位を獲得した。これ以降現在まで続く「多人数アイドル」のイメージを構築した存在と言えるだろう。

 2007年に発表した2枚目のアルバム『Don‘t Don』は拝金主義の世の中を憂う歌詞とやや過激なコンセプトが賛否両論を起こしたが、それでも2007年の年間アルバム売上2位を記録した。そして世界的に名前が知られるきっかけとなったのが、2009年にリリースされた3枚目のアルバムタイトル曲「SORRY, SORRY」だろう。当時流行し始めていた中毒性のあるフレーズを反復するサビが印象に残る「反復ソング」のはしりのひとつであり、手を擦り合わせるような独特のダンスは動画サイトYouTubeの広がりとともに世界中でダンスカバーされるバイラルソングのひとつとして知られるようになった。「SORRY, SORRY」は韓国以外の台湾・中国・タイ・フィリピンでも1位を獲得したが、今でも一般的にSUPER JUNIORといえば思い浮かぶのはこの曲だろうという、代名詞的な1曲になった。

SUPER JUNIOR 슈퍼주니어 ‘쏘리 쏘리 (SORRY, SORRY)’ MV

 先輩グループの東方神起が日本進出を目指して作られたグループだったように、元々SUPER JUNIORは中国を含むアジア全般に進出するべくデビューしてすぐにタイなどアジア圏でも活動を始めていた。現在も続くコンサートツアー『SUPER SHOW』シリーズは当初から韓国外での活動を見据えた活動形態であり、この「コンサートツアーをブランド化する」というのも単発のコンサートが多かった韓国ではSUPER JUNIORが始めて行ったスタイルだ。日本でも3月に『SUPER SHOW 8』のアンコール公演が予定されているが、アジアツアーを掲げて始まったこのシリーズは5からは南米・メキシコ・イギリスまで範囲を拡大するワールドツアーとなっていった。アジア圏で活動キャリアが長い故に、現在でもある程度の規模のファンドムが形成されていることは、ベテラングループとしての大きな強みにもなっていると言えるだろう。

 2006年にはグループのメインボーカルであるキュヒョン、リョウク、イェソンによるユニット・SUPER JUNIOR-K.R.Yを結成。その後も13人という多人数を生かしてトロット(韓国の演歌)をテーマにしたSUPER JUNIOR-Tや幸せがテーマのSUPER JUNIOR-HAPPY、中国をメインに活動するSUPER JUNIOR-M、ファンからは日本で言うところの「シンメ」のようにみなされているメンバー・ドンへとウニョクによるSUPER JUNIOR-D&Eなど、様々なユニット活動が生まれた。特に中国人メンバーのハンギョン(現在は脱退)を中心に新たに中華系メンバー・チョウミとヘンリーの2人を加えたSUPER JUNIOR-Mは外国語である中国語の楽曲での活動がメインであり、初めて中華圏=海外活動をメインの目的に結成されたグループという点が、現在までのSMエンタの海外進出活動形式における原点とも言えるだろう。

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