SuperM、SUPER JUNIOR、MONSTA X……韓国ボーイズグループの個性が溢れ出る最新作
10月に新アルバムを発売したボーイズグループの目玉は、SMエンターテインメント所属グループからの選抜メンバーで結成された新ユニット・SuperMだろう。
SuperMは、“SMのアベンジャーズ”と呼ばれるほど豪華なそのメンバー構成のほか、韓国だけでなくアメリカでのデビューも決定されていたために、デビュー前から彼らのパフォーマンスはかなり注目を集めた。アルバムのリード曲「Jopping」はダンスナンバーで、とてもクールな楽曲だ。2019年11月3日現在、すでに3800万回以上再生されているミュージックビデオでは、黒い背景でメンバーが踊るダンスシーンが華麗で印象的である。歌番組やコンサートでのパフォーマンスも圧巻で、ダンスレベルは同事務所の既存のグループとは一線を画すほど、個々のメンバー同士のダンスをシンクロさせることに成功している。
SuperMは、アメリカでの活動として大人気番組『The Ellen show』に出演した。その際、番組で「Jopping」とともに披露した楽曲「I Can't Stand The Rain」はリード曲とは異なりストリングスがとても象徴的だ。その壮大でありながらも、楽曲に合わせて身軽に舞うその姿は、SuperMのパフォーマンスの高貴さが表れている。「米ビルボード200」他で1位を獲得し、BTSに匹敵するK-POPグループとして人気を集めている彼ら。今後、韓国はもちろん、ワールドワイドな活動に対する期待値も高い。
また、同じSMエンターテインメント所属のグループ、SUPER JUNIORも新アルバム『Time_slip』を発売した。 SUPER JUNIORは2005年にデビューして以来、個性豊かなメンバーがアイドルとしての活動の幅を広げてきた。例えば、リーダーのイトゥクは、歌番組やバラエティ番組でのMCとして多く起用されており、ヒチョルは人気番組 『知ってるお兄さん』にレギュラー出演している。また、ドンへとウニョクによるユニット、 SUPER JUNIOR-D&Eは2011年に結成されて以来、日本でのツアーをコンスタントに行なっている。
各々の兵役を終え、来年で結成から15年を迎える同グループ。メンバーが30代になって掲げたテーマは、ズバリ"ダンディ"ではないだろうか。代表曲「SORRY, SORRY」や「Mr.Simple」などはK-POPの王道ソングとして今も愛され続けているが、昨今のSUPER JUNIORは、これまで彼らが独自の個性で"アイドル”としての概念を開拓してきただけに、また新たなイメージの確立を試みていると言える。今作のリード曲「Super Clap」はアップテンポでキャッチーなメロディが、これまでの彼らの楽曲と共通して、SUPER JUNIORらしさを感じさせるが、収録曲「I Think I」にも着目したい。「I Think I」はスローテンポな楽曲であり、イントロのメロディアスなピアノをはじめとする様々な楽器が曲中で頭に残る旋律を奏でている。レトロな雰囲気を醸し出す同楽曲は、懐かしさを感じさせつつも、“アイドルソング”として真新しさを感じさせる特異な一曲であると言えるだろう。音楽番組でのパフォーマンスも絶え間なく行なってきたSUPER JUNIORだが、彼らの楽曲の"進化"にも注目していきたい。