“大人数グループ”はなぜ韓国で発展を遂げた? SUPER JUNIOR、IZ*ONEら誕生背景から考察
韓国「大人数グループ」の礎となったSUPER JUNIOR
アジア特有のアイドル、ダンス&ボーカルグループの形の一つに、大人数の大型グループがある。日本でもAKB48グループや坂道シリーズ、モーニング娘。など10人以上のメンバーを抱える人気アイドルは珍しくない。
日本と並ぶアイドル大国でもある韓国で最初にブレイクした「大人数グループ」は、2005年にデビューしたSMエンターテインメントのSUPER JUNIORだった。デビュー時から12人という大所帯だったSUPER JUNIORは、当初は毎年メンバーの入れ替えがある日本のモーニング娘。のシステムをベンチマークする予定だったため、最初のEPには05’の表記がある。しかし翌年に新しくキュヒョンが加入したところでメンバーの入れ替えを望まないファンからの反発により、13人の固定メンバーで活動することになった。その後脱退等あり現在の正式なメンバーは10人になったが、その後の韓国男子アイドルのシステムに及ぼした影響は大きいと言われている。大人数グループのメリットのひとつとして、グループ内での様々な組み合わせによる「ユニット活動」がしやすいということがあるだろう。韓国のアイドル初のグループ内ユニットはSUPER JUNIORのメインボーカルを集めて結成したSUPER JUNIOR−KRYである。その他にも「ファンを幸せにする」というコンセプトから誕生したSuper Junior-Happy、韓国歌謡のトロットをテーマにしたSuper Junior-T、中華圏での活動を目的としたSuper Junior-M(Mandarin)、人気コンビのドンへとウニョクで結成されたSuper Junior-D&Eなど、多くのユニットが誕生している。
同じくSMエンターテインメントから2007年にデビューした少女時代も、過去の人気グループ・Fin.K.L.やS.E.Sが3人組であり同時期にデビューしたWonder Girlsが4人組だったことを踏まえると、9人というのは当時としてかなりの大所帯である。韓国ではすべての年齢層にアピールし、海外まで攻略できる汎アジア的女子グループを目標として作られたグループであり、そのために様々な個性を持ったメンバーとダイナミックなパフォーマンスが可能な人数を揃えた結果が9人だったと言えるだろう。2009年にPledisエンターテインメントからデビューしたAFTERSCHOOLは、グループ名の通り学校のように卒業があるのをコンセプトにしていた。デビュー当初は5人組だったがその後加入と脱退を繰り返し、2010年には少女時代と同じ9人組だった。REDやBLUEなどグループ内ユニットが多く、特にナナ・レイナ・リジによるOrange Caramelは曲ごとに変わる大胆なコンセプトチェンジが話題になり人気を博した。
2012年にSMエンターテインメントからデビューしたEXOは、当初EXO-K(Korea)とEXO-M(Mandarin)という2組のパラレル的な6人ユニットから形成されたグループで、韓国と中国で同時に活動することを目的としていた。しかし中国人メンバーの脱退が相次ぎ当初のコンセプトが不可能になったため、9人組として活動することに。 大人数グループといっても少し変則的な形であるが、やはり大人数がステージ上で激しく入れ替わるパフォーマンスが代名詞でもあり、グループ内ユニットであるEXO-CBXやEXO−CSが誕生している。