(サンディ)アレックス・G、デヴェンドラ・バンハート…個性豊かなインディーシーンSSW新譜5選

 インディーシーンで活躍する、個性豊かなシンガーソングライターの新作を紹介。

(Sandy) Alex G『House of Sugar』

(SANDY)ALEX G『House of Sugar』

 フィラデルフィアを拠点に活動する(サンディ)アレックス・Gは、デビュー前からアルバム7枚分の音源をネットにあげるほど多作な男。しかも、その才能に惚れ込んだフランク・オーシャンがアルバムに招くほどの才能の持ち主でもある。そんな若き天才の新作は、約2年の月日をかけてじっくり作り上げられた渾身の一枚だ。付き合いの長いUnknown Mortal Orchestraのジェイク・ポートレートがミックスで参加。メランコリックなメロディや儚げなファルセットボイスはエリオット・スミスを思わせるが、エレクトロやノイズを織り交ぜたサウンドがユニーク。フォーク、エレクトロ、ヒップホップなど様々な要素が混ざり合いながら不思議な透明感がある。混沌としたなかから浮かびあがるメロディや歌声のピュアな輝きが魅力的だ。

(Sandy) Alex G – Gretel (Official Video)

Devendra Banhart『Ma』

Devendra Banhart『Ma』

 かつてはフリーフォークシーンのプリンスとして注目を集めていたが、今ではベテランの風格を漂わせているデヴェンドラ・バンハート。画家としも才能を開花させているなかでリリースされた新作は、母性をテーマにしたアルバム。いつも通り、盟友のノア・ジョージソンと二人で作り上げていて、近作ではシンセサウンドが印象的だったが、今回はストリングスやホーンなど生楽器を導入。デヴェンドラが「音楽的な母」と慕うヴァシティ・バニアンとのデュエット曲「Will I See You Tonight?」のドリーミーなストリングスや、デヴェンドラ風シティポップ「Love Song」の軽やかなホーンなど、曲に柔らかなふくらみが生まれている。そんななか、細野晴臣の曲にインスパイアされた「Kantori Ongaku」では日本語も披露。アルバムは日本語の「間」から来ているらしいが、デヴェンドラ的わびさびを感じさせて、洗練された曲作りの繊細な歌心を味わえる逸品だ。

Devendra Banhart – Kantori Ongaku (Official Video)

Cate Le Bon『Reward』

Cate Le Bon『Reward』

 そのデヴェンドラ・バンハートの新作に参加しているのが、ウェールズ出身のケイト・ル・ボンだ。前作『Crab Day』ではノア・ジョージソンがプロデュースを手掛けていたが、今回、ノアはミックスを担当して、ケイトが数曲を除いてセルフプロデュース。ジョシュ・クリングホッファー(Red Hot Chili Peppers)、ステラ・モズガワ(Warpaint)らがゲストで参加している。Young Marble GiantsやThe Raincoatsなど、ポストパンクバンドを思わせる実験的でポップなサウンドだが、そこにはアシッドフォーク的なサイケデリックな浮遊感も漂っている。洗練されたアレンジと繊細なミックスが心地良い空間を生み出すなか、ケイトの歌声は時にシアトリカルで表情豊か。おとぎ話の語り部のような、ケイトの不思議な歌声に引き込まれるアルバムだ。

Cate Le Bon – Daylight Matters (Official Video)

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