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クリス・コーエン、マック・デマルコ……60~70年代サウンドを消化したUSインディー5選

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 今回は、ルーツ・ミュージックや60〜70年代サウンドを独自に消化した、ビンテージな味わいを感じさせるUSインディーの新作を紹介。

クリス・コーエン『Chris Cohen』

 まずは、いまUSインディーシーンのキーパーソンとして注目を集めるクリス・コーエン。Deerhoofを脱退後、クリスはアリエル・ピンク、キャス・マックームス、ワイズ・ブラッドなど、様々なアーティストに招かれて共演し、マルチプレイヤー/プロデューサーとして活躍してきた。そんなクリスのソロ3作目『Chris Cohen』は2年の月日をかけてじっくりと作り上げられた力作。これまでは楽器のほとんどをひとりで演奏していたが、今回は演奏や曲作りの面でゲストを迎えている。60〜70年代ロックの手触りを感じさせるバンドサウンドがサイケデリックに、時にはプログレッシブに展開。霧がかかったような音響が音にまるみを与えていて、アルバムを不思議な浮遊感が包み込むなか、サックスの艶やかな音色がアクセントになっている。シュールなポップセンスと憂いを帯びたメロウネスが融け合った本作は、オルタナティブなAORといった趣も。

Chris Cohen // Green Eyes (Official Video)
マック・デマルコ『Here Comes the Cowboy』

 憧れの細野晴臣とスプリットシングルをリリース。ついにはステージで共演も果たして注目を集めるマック・デマルコの新作は、自身で立ち上げたレーベル<Mac’s Record Label>からリリースされた。かつてのエフェクトをかけたギターサウンドは影をひそめ、ひとつひとつの音の輪郭はクリアになって、これまで以上にミニマルな音作りが際立っている。そして、テンポやリズムはほとんど変化せず、アルバムは淡々と進んでいく。この単調さが評価が分かれるところだが、このユルく反復するリズムが、じわじわと効いてきて次第に心地良くなってくる。ハネるベースラインやリズムボックスが活躍する曲はSly & The Family Stoneみたいだし、ファンキーな「Choo Choo」を聴くと細野の「Choo-Chooガタゴト」へのオマージュのように思えたりもして、本作はグルーヴがキモなのかもしれない。また、親密なメロディは健在だが皮肉やユーモアは薄くなり、内省的な雰囲気が漂っていて、作風の分岐点になりそうなアルバムだ。

MAC DEMARCO – HERE COMES THE COWBOY
ケヴィン・モービー『Oh My God』

 WoodsやThe Babysといったバンドに在籍して、現在はソロ活動中のケヴィン・モービー。各方面で絶賛された2016年作『Singing Saw』を手掛けたサム・コーエンを再びプロデューサーに迎えた新作が完成。本人いわく「今までで最もうまくいったレコード。思い通りに曲が書けて、レコーディングにも満足できた」(参照)らしいが、フォークやブルースなどルーツミュージックを消化したオルタネティブなロックンロールを展開。なかでも、今回は女性コーラスが随所にフィーチャーされていて、鍵盤の音色とあいまってゴスペルのようにスピリチュアルな雰囲気を漂わせている。多彩な楽器を重ねて生み出したウォール・オブ・サウンドがサイケデリックな空間を生み出すなか、男心をくすぐるメランコリックなメロディや、ケヴィンの官能的な歌声も魅力的。アメン・デューンズやキャス・マックームスに通じる色気を感じさせるアルバムだ。

Kevin Morby – OMG Rock n Roll

      

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