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エルトン・ジョンと作詞家バーニー・トーピンの複雑な関係性 映画『ロケットマン』公開を機に考察

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 レジナルド・ドワイトという内気な青年が「エルトン・ジョン」としてデビューするには、運命の出会いが必要だった。その相手とは、作詞家のバーニー・トーピン。エルトンとバーニーは、それぞれ音楽誌『NME』に掲載された広告を見て、リバティ・レコードが作曲家と作詞家を募集していることを知って応募。二人はレコード会社で出会った。ロンドンで生まれ、パブでミュージシャンとしての活動を始めていたシティボーイのエルトンは当時20歳。かたや、田舎の農場で生まれ、ラジオから聞こえてくる音楽に夢中になったカントリーボーイのバーニーは17歳。生まれ育った環境はまったく違うが、二人は出会ってすぐに意気投合した。そして、バーニーが歌詞を、エルトンが曲を書いて、二人は新進気鋭のソングライターチームて活動をスタート。エルトンがシンガーとしてデビューすると、バーニーは歌詞と友情でエルトンを支えた。

エルトン・ジョン & タロン・エガートン『ロケットマン』(オリジナル・サウンドトラック)

 エルトンが製作総指揮を手掛けた自伝的ミュージカル映画『ロケットマン』を観ると、彼にとってバーニーと出会った頃がいかに輝いていたか、そして、バーニーがいかに重要な存在だったかが伝わってくる。エルトンはバーニーを弟のように思っていたそうだが、そこには恋愛感情もあったはず。映画ではエルトンがバーニーにキスしようして、やんわりと断られるシーンもあった。これが実際にあったことかどうかはわからないが、バーニーはエルトンの思いを感じ取っていたに違いない。それでも、バーニーはエルトンから離れることはなく、エルトンもバーニーを頼りにしていたのは、お互いに才能を高く評価してアーティストとして惹かれ合ったからだろう。

 そんな二人の幸福な時期を代表する曲といえば「Your Song(僕の歌は君の歌)」(1970年)だ。貧しい主人公が贈り物として愛する人に歌をプレゼントする。当時、貧しかったエルトンとバーニーは、エルトンの実家で共同生活を送っていた。「いくつかうまく書けない歌詞があって/でも、この曲を書いている間、陽の光はとても優しかった/この歌は、そんな風に僕を照らしてくれる君のような人々のために書いたんだ」と歌うこの曲からは、音楽を通じて二人が強い絆で結ばれていたことがわかる。こんな歌詞を渡されてエルトンは嬉しかったに違いない。しかし、バーニーとの付き合いが深まるほど、彼を思うエルトンの胸の内は複雑だっただろう。

Elton John & Taron Egerton – Your Song (Brighton & Hove 2019)

 映画『ロケットマン』で、初めてアメリカに渡ったエルトンとバーニーがママ・キャス(キャス・エリオット)のパーティーに参加。そこでバーニーは美しい女性に一目惚れする。そんなバーニーを寂しげに見つめるエルトン。その時に流れるのが「Tiny Dancer(可愛いダンサー〜マキシンに捧ぐ)」(1971年)だ。この曲はバーニーがアメリカで出会って後に結婚する女性、マキシンに捧げた曲。高揚感に満ちた曲で、映画『あの頃ペニー・レーンと』では、気まずい空気が流れるバンドのツアーバスのなかで、この曲を歌うことでみんなが一体になった。しかし、『ロケットマン』でのアレンジは寂しげで、エルトンの胸の痛みが伝わってくる。

Cast Of “Rocketman” – Tiny Dancer (Visualiser)

      

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