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『宇宙』インタビュー

loundraw×HIDEYA KOJIMA、CHRONICLEの成り立ちと“アートの力”を信じた表現方法を語る

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 イラストレーターのloundrawと、サウンドクリエーターのHIDEYA KOJIMA、そして現時点では詳細が明かされていない謎のシンガーT.B.Aがタッグを組み、『CHRONICLE』と名付けられた物語をアニメ映像や楽曲などを通して表現していく音楽アート集団、CHRONICLE。彼らのはじまりを告げる「宇宙」予告編アニメ映像と、デビュー曲となる「宇宙」(9月4日CDリリース)がそれぞれ公開された。物語と音楽、映像が手を取り合って進められていくこのユニークなプロジェクトは、果たしてどんな経緯で生まれたものなのか。loundrawとHIDEYA KOJIMAの2人に、ユニットの成り立ちを聞いた。なお、リアルサウンドではこの記事とは別に、楽曲「宇宙」の制作過程を聞いた2人へのインタビューも後日公開予定。こちらも楽しみにしていていただきたい。(杉山仁)

CHRONICLEの出会い〜物語/音楽/映像を合わせる制作手順

loundraw

――まずはプロジェクトの成り立ちについて教えてください。CHRONICLEは物語/映像/音楽が組み合わさったプロジェクトですが、loundrawさんが基盤となる物語を着想したのと、メンバーのみなさんが知り合ったのとでは、どちらが先だったのですか?

loundraw:メンバーが知り合った方が先だったと思います。最初に僕とKOJIMAくんが会う機会があって、そこで話しているうちに「自分の得意なことだけがすべてではないよね。それだけではなく、色んなことをしたい」という部分でお互いに共感したんですよ。

KOJIMA:そうですね。そのときにお互いの普段の制作にまつわる話をしていて、自然と「一緒に何かしたいね」という話になっていきました。ローくん(loundraw)は好奇心旺盛で、僕の音楽制作にまつわる話も積極的に聞いてきてくれたんですよ。

loundraw:私生活の話は、ほとんどしなかったよね? お互いがどういうふうに、どんな考え方で制作しているかという話をして、そこですごく息が合うのを感じました。僕にとっては、音楽はもともと「好きなものだけど、自分は上手くできない」と思っていたことですし、イラストや映像作品は最終的には「見てもらえれば分かる」という部分があるので、(音楽制作に対して)「視覚的な情報がない、形のないものを意図して作れるのすごいな」と思いました。

KOJIMA:でも、僕からすると逆で、普段音楽を作っているときは「ライブではこんなふうにしよう」と、目に見えるものを想像しながら作っている部分もあるんです。でも、音楽は目に見える形で表現することはできないですよね。なので、僕は僕でローくんが目に見えるもので人を感動させられるような形で具現化できることに対して「すごいな」と感じました。

――お互いに、自分にはない魅力を持っている人同士だからこそ興味を惹かれたんですね。

loundraw:そうですね。そのうえで、KOJIMAくんは「しっかりと話せる人」でもあるんです。ものを作る人には「感覚で作るタイプの人」と「理由を説明できるタイプの人」がいると思いますが、KOJIMAくんの場合は後者なので、「どんなことを考えて音楽を作っているか」ということが僕にも伝わってきて。それも話しやすかった理由だったと思います。

KOJIMA:そういう意味では、やっていることは違っても、お互いに似ている部分があったのかもしれません。ローくんは絵についてこと細かに説明できる人なので。

――そこに、まだどんな人なのか詳細は明かされていませんが、シンガーのT.B.Aさんが加わって、3人でCHRONICLEが始動した、と。

loundraw:はい。3人で集まったときに、メンバーそれぞれのできることや話しやすさを考えたら、この3人なら何か面白いことができるのではないか、と素直に感じました。このメンバーが揃ってから『CHRONICLE』の物語を着想していったので、「個々の才能がどう最大化されると面白いものになるのか」ということを逆算しながら、物語を考えていった部分もあります。KOJIMAくんの音楽のきらびやかな雰囲気や、T.B.Aのどこか昔の空気をまといながらも今を感じさせられる生っぽい歌声の雰囲気が映えるような物語にしていきたいと思っていました。

――だからこそ、物語と音楽と映像が密接に影響を与え合うようなものが生まれるプロジェクトになっていったのですね。CHRONICLEはその基本部分をユニット内だけで完結できるということもあって、みなさん普段の制作とはまた違う経験になっていそうです。

loundraw:はい、全然違います(笑)。僕の仕事の中ですと、「物語からビジュアルを着想する」という意味では、たとえば本の装丁でイラストを描くことに近い部分はあるかもしれませんが、CHRONICLEの場合は物語も自分たちで考えていくので、それと比べてもまったく違う体験になっています。ただ、完全にパーソナルな作品かというと、それも少し違うんです。CHRONICLEには3人のメンバーがいて、尊敬する相手であると同時に、時にはライバルでもある人たちと一緒に作業を進めているので、ある意味では寄り添いつつ、同時に我を出すことも意識しています。CHRONICLEというユニット名については、メンバーやかかわってくれるスタッフの方々も含めて、みんなで決めていきました。音楽は人に紐づくものですし、それは人生のように、「人と人とのかかわり」にも繋がるものだろうな、と思っていて。そう考えたときに、「編年史/年代史」を意味する「CHRONICLE」という言葉なら、「時を超えた人と人とのかかわり」を表現できるんじゃないかと思いました。 

――KOJIMAさんの場合、CHRONICLEでの制作は、どのような感覚ですか?

KOJIMA:そうですね。CHRONICLEの場合は僕ら自身から生まれた物語に音楽をつけていくので、物語から影響を受ける度合いや、どこまで音楽にその内容を組み込んでいくかという部分が曲作りとしては大きく違う経験になっていますね。

HIDEYA KOJIMA

――制作の手順については、「最初にloundrawさんの物語があって、そこから曲と映像を同時に制作し、loundrawさんが歌詞をつけて、T.B.Aさんが歌う」という方法で進められていると聞いたのですが、この制作方法になった理由も教えてもらえますか?

loundraw:実際は、僕らの中では特に制作方法の順序が決まっているわけではありません。現時点でもいくつか楽曲や映像の制作を進めていますが、たとえば、CHRONICLEのオープニングテーマとして制作した楽曲「宇宙」の制作でも、最初は僕が物語を作り、そこからKOJIMAくんが「宇宙」の楽曲を作って、僕が歌詞をつけて、T.B.Aが歌って――。そのあとに僕が映像を作るという順番になっていたりするので。大まかな物語の流れだけは準備しているものの、あとはきっちりと決めているわけではありません。当然、物語を伝えていく中で、そこにない要素が音楽や映像表現を通じて生まれていくこともあるでしょうし、曲も物語も色んな形で広げていきたいと思っているので、制作方法についても、その楽曲/映像ごとに違ってくる可能性があります。

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