音楽アート集団 CHRONICLEが描く壮大な世界 物語/映像/音楽が影響し合う制作手法から解説

音楽アート集団CHRONICLEが描く壮大な世界

 イラストレーター、サウンドクリエーター、シンガーの3人が集い、“物語/アート/音楽”を融合させた壮大な世界を描いていく音楽アート集団・CHRONICLE。彼らが配信デビュー曲「宇宙」を6月21日にリリースした。

 CHRONICLEは、住野よるの小説『君の膵臓をたべたい』の装丁イラストやTVアニメ『月がきれい』のキャラクター原案、劇場版『名探偵コナン ゼロの執行人』、劇場版『名探偵コナン 紺青の拳』のイメージボードなどを担当する気鋭のイラストレーターloundrawと、アーティストへの楽曲提供でも知られるサウンドクリエイター・HIDEYA KOJIMA、正体不明のシンガー・T.B.Aの3人で結成。loundrawによる物語を原案に、CHRONICLEにまつわるビジュアル設計や歌詞をloundrawが、楽曲をHIDEYA KOJIMAが、ボーカルをT.B.Aがそれぞれ担当。「アニメーション映像の公開」と「音楽作品のリリース」を通して“物語”を表現していく。ここで重要なのは、彼らが普段の活動の延長ではなく、あくまでCHRONICLEとしての表現を追求していること。彼らが紡ぎだす物語自体『CHRONICLE』と名付けられており、その物語の行く末を、様々な表現方法を横断しながら人々へと伝えるプロジェクトと言えそうだ。

 また、メンバー内でアニメーション制作/音楽制作の基本的な要素を担えるCHRONICLEは、その楽曲制作においても独自の方法を取っている。まずはloundrawがプロジェクトの基盤となる物語を執筆し、それをもとに彼によるアニメーション制作とHIDEYA KOJIMAの楽曲制作が同時に進行。両者絵コンテと楽曲のラフ音源を完成させた後にloundrawが歌詞を書き、最後にT.B.Aが歌うという方法が取られているようだ。つまり、「音楽→映像」、もしくは「映像→音楽」という形で制作される通常の「映像×音楽」作品とは異なり、音楽と映像が互いに影響を与え合いながら物語が紡がれていく。

音楽から生まれる物語。”CHRONICLE"の始まりを告げる「宇宙」予告編アニメ映像

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