FANTASTICSが語る、“Jr.EXILE”としての決意「EXILE魂をより注入できる存在に」

FANTASTICS、初インタビュー

 GENERATIONSやTHE RAMPAGEら“Jr.EXILE世代”のグループがシーンを席巻する中、12月5日についにデビューを果たしたFANTASTICS from EXILE TRIBE。EXILEの世界、佐藤大樹(以下、佐藤)を中心にパフォーマー集団として結成され、『EXILE Presents VOCAL BATTLE AUDITION 5 〜夢を持った若者達へ〜』で八木勇征(以下、八木)、中島颯太(以下、中島)のボーカル2名を迎え現体制になって約1年。デビュー目前で急逝したパフォーマー中尾翔太の想いをも乗せたデビューシングル『OVER DRIVE』をリリース。ボーカルオーディションや『夢者修行』(全国各地で行ってきたフリーライブ)でも披露されてきたシングル収録曲についてはもちろん、彼らのパフォーマンス面の魅力や各メンバーについてなど、さまざまな角度から話を聞いた。(古知屋ジュン)【※インタビューの最後にサイン色紙プレゼント情報あり】

八木勇征「強い意志、揺るがない気持ちが歌詞にも」

――FANTASTICSは当初パフォーマー集団として活動していて、ボーカルのお二人が加入して今の体制になったわけですが、パフォーマンス面でのテーマをどういう風に考えていますか?

世界:前に僕と大樹が『HOUSE OF EXILE』(ニューヨークの「EXPG STUDIO NY」主催のエンタテインメントショー)を観に行ったときに5人(澤本夏輝(以下、澤本)、瀬口黎弥(以下、瀬口)、中尾、堀夏喜(以下、堀)、木村慧人(以下、木村))がショーに出ているのを見てスタイリッシュだなという印象を受けたので、それをFANTASTICSとしても表現したいと思ったんです。パフォーマンスにおいてはパワフル、かつスタイリッシュ寄りという風に意識しながら、FANTASTICSのパフォーマーとしてみんなでそこに照準を合わせるようにしてますね。逆にダンスナンバーやソロコーナーになったら、それぞれの魅力を全開で出せるようにして。

――世界さんを中心にメンバーのみなさんが振りを付けているとのことですが、現時点でのFANTASTICSの振りのカラーはありますか?

世界:キーワードでいうとスタイリッシュ、パワフル、流れ、ですかね。水が流れるように、無茶な流れを入れないことを心がけてます。あとは抽象的ですけど煌めきというか……モノでいうと真珠とかダイヤとか宝石っぽい美しさをイメージしてます。

FANTASTICS from EXILE TRIBE / 「OVER DRIVE」 Music Video

――その振りの流れの美しさは、「OVER DRIVE」のMVでもすごく感じました。まずはこの曲の話から聞いていきたいんですけれど、最初に聴いたときの印象は?

世界:最初はパフォーマーだけでフルコーラスではないデモを聴いたんですけれど、みんなで「BPM速っ!」って言ってましたね。これからデビューするFANTASTICSらしい勢いを感じさせる曲でもあり、同時に“THE 王道”な感じでもあったので、その中でどうFANTASTICSらしさを出したらいいかは振付の段階で試行錯誤しました。

――振付には翔太さんも参加したと聞いています。

世界:最初、僕が全体的な振りを考えてたんですけど、翔太が「Aメロからサビまで作っていいですか?」と言ってきたんで、翔太にも頼んで2人で共作した感じなんです。その時点ではあまりキャッチーすぎないように、でも難しくしすぎても各自の経験値がバラバラなので、全員のバランスが取れるようにも考えながら作っていきました。最初の段階ではみんな苦戦しつつ踊ってくれてたんですけど、もう1年以上踊ってきて、振りが身体に沁み渡った感じになってますね。

――そういう意味では大樹さんが語ってきた“9人でFANTASTICS”の言葉通り、翔太さんの意思が全編に込められた曲といえますね。

佐藤:そうですね。構成は極力、翔太がいたときのまま、あえていじらずにパフォーマンスするようにしています。

――踊っていて“アガる”ポイントは?

瀬口:サビ後の間奏の部分が、特に各パフォーマーの腕の見せどころなんですよね。そこはぜひ、注目してもらいたくて。

澤本:駆け上がっていくような感覚のある曲で、サビでパフォーマー全員がバン!と一気にパワーを出せるような構成になっているので、見ている方にもそのテンションが上がっていくような感じを楽しんでいただけたら。

――ボーカルのお二人にとっても、オーディションの段階から歌ってきた思い出深い曲だと思いますが。

中島:初めて聴いたのがオーディション中だったんです。とにかく「FANTASTICSになりたい!」と思っていたので、ダンサブルなこの曲をどうにか歌いこなしたくて、リズムを意識しながら歌うように心がけていました。最初はフルコーラスじゃなかったんですけれど、今のFANTASTICSに合わせるような形で2番の歌詞を付けていただきました。デビューを目指していて、そのあと僕らが翔太くんと考えていたFANTASTICSの将来もつかめるように……と思いながら、レコーディングや夢者修行でも歌ってきました。なので、思い入れが強いのは2番の部分だと思います。全体的に前向きな歌詞になっているので、歌詞にも注目していただきたいです。

八木:サビまでのAメロ、Bメロは暗いわけじゃないんですけど、わりと淡々と流れていくイメージで、そこからサビに来ると一気にみんなの個性というかカラフル感が出るギャップが、僕は面白いと思っています。歌詞で一番好きなところは〈夢を君と叶えたいから〉。颯太もそうだと思うんですけど、“君”を翔太くんだと思って歌ってるようなところがあります。強い意志、揺るがない気持ちが歌詞にも込められている気がして、すごく好きなんです。

世界「他のEXILE TRIBEのチームとは違う見せ方」

左から、 佐藤大樹、八木勇征、中島颯太、世界

――もう1曲の「WHAT A WONDER」も、夢者修行やイベントなどでパフォーマンスしてきていて、すでにファンの方にはおなじみの曲ですね。

中島:クールな感じと情熱的な要素が入り混じった感じのダンスチューンなんですけど、最先端の音を取りいれていて「OVER DRIVE」とは別な意味でFANTASTICSらしい音を楽しんでもらえると思います。歌詞の〈何度だって倒れてもいい 最後立っていられればいい〉というワードは、今のFANTASTICSにもぴったりだと思いますし。

八木:ボーカルはけっこうクールなイメージで歌ってるんですよ。でもパフォーマー目線で考えると、音数が多いので遊べる部分が多い曲なのかなと思います。FANTASTICSはすごく遊び心が強いグループなので、こういう曲だとパフォーマンスもどんどんいろんな方向に表現を広げていきやすいと思います。

世界:全体的な振りは僕が付けたんですけど、「OVER DRIVE」は9人そろってドン!と勢いのある見せ方をしたかったんで、この曲では逆に一人ひとりが目立つように構成していますね。1人ずつのパートを細かく分けて、ボーカルとその1人以外は背景に徹するような形にしたんですけど、ある意味FANTASTICSの形が見えるような曲じゃないかなと。「OVER DRIVE」はボーカルが決まる前にできた曲で“THE EXILE TRIBE!”みたいなニュアンスがあるんですけど、こちらはメンバーが決まってからの曲なので“9人をどう表現するか”という視点で作っていますし、他のEXILE TRIBEのチームとは違う見せ方のものが出来上がったと思っています。

佐藤:その時期のリハに僕があんまり別の仕事の都合で出られなかったんですけど、ほぼ完成してる状態のときに見せてもらって、「めっちゃかっこいいですね!!!」って絶賛しました。

世界:一番近いところにいる大樹が“新しい”といってくれたのが、ちょっと「やったな!」と思えたポイントで。みんなにも「ここは自分で考えてみて」みたいな感じで作ってもらっているからそれぞれの色も出ているし、踊るとけっこうハードなんですけど(笑)、楽しさも強い。FANTASTICSらしさを提示する第一歩といえる曲かなという感じはあります。

――この春くらいの夢者修行から踊ってきている曲なので、図らずしてなのかもしれませんけど、今年大ブームのSHOOTなんかも取り入れてますね。

木村:間奏一発目のところは夏喜くん(堀)、澤夏くん(澤本)、僕で考えているんですけど、SHOOTは夏喜くんのアイデアで。

堀:国内はもちろん、海外のダンスシーンも常にチェックするようにしているので、SHOOTがオーバーグラウンドで流行り出す前からアンダーグラウンドですごく流行っていたから、取りいれたいなと思って。今だとダンサーだけじゃなく、ラッパーからも新しいダンスが発信されることがあるので、ダンスシーンもこれまでとは違った動きになってると思うんですよ。そこが面白いなと思ってます。

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