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ホットスタッフ 横山和司副社長が語る、コンサートビジネスの本質「変化の中で独自のものを作る」

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 コンサート/イベントの企画・制作を行うホットスタッフ・プロモーションが、設立40周年を迎え、10月26日から28日にかけて日本武道館にて『Hot Stuff Promotion 40th Anniversary MASAKA』を開催する。変化する音楽業界の中で、40年という歴史を刻んできた同社。今回リアルサウンドでは代表執行役員 副社長の横山和司氏にインタビューし、40周年記念イベントやホットスタッフのスタンス、同氏の経歴の中から考えるコンサートビジネスの本質について話を聞いた。(編集部)

これからのアーティストは足を運ばないと探せない 

ーー10月26日から28日の3日間にかけて行われる『Hot Stuff Promotion 40th Anniversary MASAKA』は、出演アーティストがまさにサプライズのある顔ぶれです。対バン形式でのライブという点も印象的だったのですが、イベントのコンセプトを教えてください。

横山和司(以下、横山):ホットスタッフ・プロモーションの40周年を記念したイベントを開催するにあたって、何か特別な意味のあるもの……キャスティングや何か他ではやっていなかったものを作った方が意味があるんじゃないか、ということをはじめに考えていました。その中で昨今、日本全国でたくさんイベントやフェスが行われていますが、対バン形式でのイベントは少ないんじゃないかと。もっとたくさんのアーティストに出演いただく方法もありましたが、今回はアーティストの数を絞って、その分ひとつのアーティストの演奏時間を長くして、よりじっくり見ていただくことにしようと考えました。そして会場は昔からある日本武道館が相応しいのではないかと思いました。そこからその日本武道館でのイベントに出演していただくアーティストを考えていったんです。弊社が30周年を迎えた時もイベントを何本か開催したのですが、その時にYUKIさんに出演していただいた経緯がありましたので、まずYUKIさんから声をかけました。YUKIさんはソロで活動する以前のJUDY AND MARYの時からホットスタッフとして関わっていましたので、その縁もありますね。そこから対バンとして岡村靖幸さんに声をかけたんですが、ふたりは共に<EPIC Records>からデビューしているものの、これまでほとんど接点がなかったんですよ。

ーー今回の出演は初めての共演になるんですよね。

横山:意外なことに初めてなんです。岡村さんとしては久しぶりの武道館のステージですし。ホットスタッフはコンサートプロモーターとして岡村さんのライブに関わらせていただいていますが、当時からエッジのある方でした。

ーー2日目の「Ultra Boy Meets Super Girl」にはYUKIさんと岡村靖幸さんが出演するという、すごく意外性のある組み合わせです。

横山:このラインナップが出たとき、ほとんどの方が驚いていました。そういう意味では今回のイベントのひとつの軸になっているかと思います。そして東京スカパラダイスオーケストラは、僕がホットスタッフに入社して2年か3年目くらいの時にデビューをして、新宿でデビューコンベンションを観たんですけど、すごくインパクトがあったのを覚えています。そういう意味では、40周年の歴史の中でスカパラは外せなかったですね。

ーーそして1日目の「Mutation of POP」では、きゃりーぱみゅぱみゅとけやき坂46が出演。この組み合わせもインパクトがあります。

横山:きゃりーさんはタイトルにもある“ミュータント”というか、ちょっと異端児的な感じがありますよね。けやき坂46に関しては、欅坂46を弊社で担当していまして、そのつながりもありますが、けやき坂46も欅坂46のように、僕の見ている限りでは他のアイドルグループとはちょっと違う個性を持った存在なので、きゃりーさんと合うんじゃないかと思ったんです。

ーー3日目の「Chaos Rocks」には、東京スカパラダイスオーケストラとTHE BACK HORN、ポルカドットスティングレイとKing Gnuが出演しますが、ポルカドットスティングレイとKing Gnuは今回のラインナップの中では比較的若手のアーティストになりますね。

横山:ホットスタッフでは、新しいバンドやソロのアーティストのライブも数多く手がけていますが、特にKing Gnuは去年から演奏面も含めて飛躍的にライブがよくなっていて。ポルカドットスティングレイは、雫さん(Vo/Gt)の独特な世界観が魅力です。あとから分かったことなんですが、ポルカドットスティングレイもKing Gnuも東京スカパラダイスオーケストラ、THE BACK HORNをすごくリスペクトしていて、ぜひ出演したいと言ってくれました。

ーー個性的かつ様々な方向でエッジが立った顔ぶれになりましたね。先ほど仰ったように、これまでに観たことがないイベントを手がけるという精神はDNAとしてホットスタッフ全体にずっと流れているものでしょうか?

横山:そうかもしれないですね。それと時代の流れもあると思います。僕は今年で入社32年目になるんですが、当時はインターネットもなかったですし、もちろん携帯電話もなく。何もない手探りな状況の中でライブハウスにスタッフみんなでバンドやソロのシンガーを探しに行っていましたから、それでオリジナルなものを探して形にするという精神ができあがったのかもしれません。確か80年代から90年代にかけて下北沢を中心にしたライブハウスがシーンとして盛り上がってきて、そこから大きな会場ができ始めました。日清パワーステーションや赤坂BLITZができて、1500〜2000人キャパのスタンディングで入るライブハウスはそれまでなかったですから、画期的なことだったと思うんですよ。

ーーそしてライブシーンが活発になり、貴社としても業態が大きくなっていったと。

横山:今、ライブエンターテインメントが活気付いているという風に言われていますけど、実は昔からあまり変わっていないと思うんです。当時はライブハウスもクラブもなんとなく未知な部分があって、ちょっと行きづらい印象があったのかもしれません。でも興味があってコンサートを観たいと思っている人は多かったと思うんです。それが、大きなライブハウスができることによって行きやすくなったり、観る環境が整っていった。さらに、インターネットで全ての情報を得ることができて、チケットも取れる。楽曲もネット上で買うことができるなどの技術的な進化もあって、エンターテインメントとそれらに関心を持つ人が結びつきやすくなっているのはあると思います。それからステージセットの変化も大きかったですね。照明や音響の進歩で視覚的にも聴覚的にも研ぎ澄まされていくというか。我々の年代の方はわかると思いますけど、照明はパーライトだけで、それが消えるか点くかだけ。だから正直言うとムービングライト(バリライト)があるだけですごく興奮したのを覚えてるんですよね。それをTM NETWORKがツアーで初めて取り入れて、そのうち他のアーティストにも広がっていくなかでライブの演出も向上していくし、観る側の目も肥えていく。それで結果的にまた行きたい、また観たいものになるという。それが人づてに知られていって……今だとそれがSNSですよね。そうして情報が回っていきますけど、これからのアーティストを見つけるにはやっぱりライブハウスに足を運ばないと探せないのかなと思っています。なので、ホットスタッフには、毎日のようにライブハウスに行ってライブを観て情報を得てくる専属のスタッフがいるんですよ。

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