GENERATIONS 片寄涼太、中国ブレイクのきっかけは『兄こま』 アジア進出のルートを考察
GENERATIONS from EXILE TRIBEの片寄涼太が中国のファッション誌『红秀GRAZIA』の表紙を飾った。この号では、片寄のほかにも、アジアで注目の俳優やアーティスト、モデルなど9名と一緒に撮影していて、日本からは森星、秋元梢なども顔をそろえている。片寄が表紙に抜擢されたのは、所属するGENERATIONSでの活躍のほかにも、ドラマ『兄に愛されすぎて困ってます』の人気が関係しているとみられる。
日本のコンテンツがきっかけとなり、俳優が中国で人気を博した事例は過去にもあった。ドラマ『イタズラなKiss~Love in TOKYO』が2013年に日本での放送開始と同時に中国でも配信されて人気を獲得。同年7月には主演の古川雄輝が上海で日本人初のファンミーティングを行ったほか、彼もまた、中国のエンタメ雑誌『EASY』や『COOK MUSIC』で表紙を飾ったり、現地の一流ファッション誌のグラビアなどにも登場している。
古川の出演した『イタズラなKiss(イタキス)』は漫画原作で、過去にもドラマ化されている。1996年に初めて柏原崇主演でドラマ化された際は、同作はもちろんほかの出演ドラマも注目を集め、柏原は台湾で人気を博し、彼が率いるロックバンド「No’where」は1999年に台湾のスタジアムでのコンサートを成功させている。今でも中国語圏では根強いファンが存在している。
その後も『イタキス』は、台湾で2005年、2007年(ともにジョセフ・チェン主演)、2016年(ディノ・リー主演)に、韓国では2010年(キム・ヒョンジュン主演)にドラマ化されていて、そのたびに主人公の入江直樹を演じた俳優は一躍スターとなってきた(すでにスターが出演する場合もあったが)。また日本では、劇団EXILEの佐藤寛太主演となり、三部作で映画化もされた。このようにアジア中で20年以上にわたって人気の衰えないコンテンツである『イタキス』の2013年の配信を見て、中国の視聴者が古川雄輝のファンになる下地は十分にあったのである。
この『イタキス』はというと、漫画原作で学園もの、主人公の入江直樹がちょっとぶっきらぼうでツンデレだけどイケメンで、ヒロインがひょんなきっかけでその直樹と同居することになるという要素で人気が出た。片寄が出演した『兄に愛されすぎて困ってます(兄こま)』もまた、漫画原作で学園もの、片寄が演じた橘はるかも、ぶっきらぼうなツンデレイケメンで、ヒロインとは血のつながらない兄弟として同居するストーリーなど、『イタキス』同様に人気を得る要素が揃っていたのだ。
加えて、中国では、顔が小さく背が高い、漫画から抜け出したような人物が人気である。古川の出演した『イタキス』と同時期にドラマ『星から来たあなた』で中国で人気を博した韓国のキム・スヒョンも、古川も片寄も、同じように漫画から抜け出たような容姿もあって人気を獲得していた。
片寄は2017年8月に中国でのファンミーティングを行っていて、GENERATIONSのメンバーと橘ケンチも登場した。ファンミーティングと言えば、かつては韓流スターや華流スターがするものというイメージも強かったが、現在では古川や片寄に限らず、三代目J Soul Brothersの登坂広臣も上海でファンミーティングを行うなど、昨今は以前よりも積極的に取り組む俳優やアーティストも増えた印象だ。
GENERATIONSは、ファンミーティングの次の日には「SUMMER SONIC SHANGHAI 2017」にも出演。2017年はマカオや台湾でのライブも経験済みだが、ステージでは積極的に中国語で挨拶をし、MCではメンバーそれぞれが英語で観客とコミュニケーションをとる。2018年には深圳、北京、上海での初のライブツアーも決まっている。また橘ケンチは中国語も堪能で、主演の舞台「幽劇」の公演を2017年9月に上海で行っている。