鬼龍院翔&X JAPAN Toshlがコラボする必然性 ふたりの関係性から読み解く

 ゴールデンボンバーの鬼龍院翔が、本日12月13日に放送される『FNS歌謡祭 第二夜』(フジテレビ系)でX JAPANのToshlとコラボレーションする。同放送でふたりは、X JAPANの「Say Anything」を歌唱することが発表されている。ファンの間での注目度も高く、SNS上では「翔さんToshlさんとコラボ凄いよね!!」、「キリショーとToshlさんとか死ねる!!」など、ふたりのコラボを祝福する声も多い。

鬼龍院翔『オニカバー90's』

 X JAPANの大ファンでもあることを公言している鬼龍院。2016年に開催された『VISUAL JAPAN SUMMIT 2016』でYOSHIKIとステージ上で共演した経験があり、同イベントや2017年10月8日に放送された『関ジャム 完全燃SHOW』(フジテレビ系)ではToshlのコスプレを披露するなど、これまでもX JAPANへの並々ならぬ愛情を示してきた。鬼龍院のブログでもX JAPANへのリスペクトが度々語られており、今回のコラボについても「いったいどうなってるんだとんでもねぇコラボだ!!!!!(恐怖)」と興奮気味にコメントしている(キリショーブログ)。一方でToshlもゴールデンボンバーと共演した際に、鬼龍院を褒めちぎっていたというエピソードがある。ゴールデンボンバーの喜矢武豊のブログに当時の様子が書かれており、「でも一番の衝撃はToshlさんが鬼龍院をべた褒めしてたことかもしれないなぁ(^_^;) あんたすげぇ!!」と紹介していた(ゴールデンボンバー 喜矢武豊のブログ)。YOSHIKIもライブを観て、「逆に学ぶところがいっぱいあります」と言うほどゴールデンボンバーを高く評価している(ドワンゴジェイピーnews)。つまり鬼龍院翔は、ビジュアル系バンドの代表格からお墨付きをもらっていると言え、Toshlと鬼龍院の関係性を知っているファンからすれば、今回のコラボは必然的なものと言える。

 ヴィジュアル系のレジェンドとヴィジュアル系の異端児、時代は違えど同ジャンルの歴史を刷新した2人組のコラボが実現すると言える今回のステージ。もはや説明する必要はないと思うが、X JAPANが後続のヴィジュアル系バンドに与えた影響は非常に大きい。当時の常識を打ち破る意欲的な音楽はもちろん、過激なビジュアルやパフォーマンスはライブにおけるエンターテインメントの新しい形を築いた。音楽評論家の市川哲史氏が、著書『逆襲のヴィジュアル系』でゴールデンボンバーのことを「V系の最終形態」と称していたが、X JAPANがヴィジュアル系というジャンルの枠を拡張し、そこから独自進化を果たした末にゴールデンボンバーは誕生した。そして、その意思を受け継ぐかのごとく、鬼龍院翔はエアーバンド+パフォーマンスというトリッキーな手法でブレイクし、さらに今の音楽シーンに一石を投じるような試みを実践し続けている。そんな時代を変えた新旧ヴィジュアル系を代表するボーカルが、同じステージで歌うことには、どこか感慨めいたものが湧いてくる。

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