乃木坂46、5年目のバースデーライブで開いた“第2章”の扉

乃木坂、5年目BDライブで開いた“第2章”の扉

ついに“交わった”3期生、その向こうに見える深川麻衣の存在

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 そして、去る者あれば来る者もあり。2日目・3日目には3期生が初めて1期生・2期生と同じライブに参加し、グループに新たな彩りを与えてみせた。この2日間で彼女たちが単独で披露したのは6曲で、先日千秋楽を迎えた舞台『3人のプリンシパル』を思い出させる「羽根の記憶」を歌わせるというのもいい演出だったが、さらに意義深いと感じたのは「強がる蕾」、そして「ハルジオンが咲く頃」だ。この2曲は昨年グループを卒業し、現在は女優として活躍する深川麻衣に関連する楽曲であり、「聖母」としてグループの調和を保った彼女が、卒業してもなおその役割を果たした、まさにハルジオンの花言葉である“追憶の愛”を感じずにはいられない瞬間だった。

 3期生はこれまで、『3人のプリンシパル』も含めて単独で行動することが多かった。しかし、2日目のアンコールでは先輩たちに混じって「乃木坂の詩」をパフォーマンス。生駒もMCで「ようやく乃木坂46新体制のスタートです!」と話したが、改めてこの瞬間が“新生乃木坂46”の生まれた場面だったことは間違いない。それは、『3人のプリンシパル』で誰よりも“努力”の成果を見せつけ、この日任されたMCを堂々とこなす久保史緒里や、最終日のダブル・アンコールで全員が「ガールズルール」を全力でパフォーマンスするなか、3期生の暫定センター・大園桃子が終始泣きじゃくって歌えず、色んな意味で記憶に残ったことにも表れているように思えた。

演出とパフォーマンスに現れた「更新」

 グループ全体のパフォーマンスと演出についても言及しておくと、最初に今回乃木坂46のライブで初めて導入された大量のLEDパネルに触れたい。今回は新たに録り下ろされたメンバー映像も存分に使用したり、2日目の「制服のマネキン」ではタブレット端末風のセレクト画面や、プロジェクションマッピング的な演出でメンバー間でのダンスパートを受け渡す様を表現するなど、ライブをより視覚的な意味で充実させた。

 曲順に関しては、これまでのバースデーライブが順を追って各シングル・アルバムを披露していくものであったのに対し、今回は橋本の卒業コンサートとの兼ね合いもあってか、「全曲披露」というコンセプトは死守しつつ、あくまで一つのライブとしてセットリストを組み上げていた。だからこそ、3日目の本編ラストでは「何度目の青空か?」「君の名は希望」「きっかけ」といったグループのアンセム3曲をフルオーケストラで披露するという豪華な演出も可能になったと思えば、観る側としてはありがたいことこの上ない。

 また、ライブ全体の構成に自由度が増した要因はもう一つあるように思う。生駒が2日目に「アンダー曲から(乃木坂46全体の)ライブがスタートするのは初めて」と述べていたが、これはアンダーに千秋楽を任せ、大成功に終わったクリスマスライブを受けての流れなのではないか。来年以降がどうなるかは不明だが、グループの幅がまた一つ広がったと感じる瞬間だった。

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 アンダーといえば、当時アンダーにいたメンバーを中心に結成された乃木團も、2日目にはクリスマスライブと同じく他メンバーのダンスに合わせて「月の大きさ」を演奏するパートがあったりと、しっかりアップデートされたパフォーマンスを繰り広げていた。乃木團のツインボーカルの1人である中元日芽香が、体調不良による休養のため不在だったことだけが悔やまれるが、また次のタイミングを楽しみに待ちたい。

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