乃木坂46、17th選抜は“グループの再定義”? 新体制に込められたメッセージを読む
乃木坂46が1月29日放送の『乃木坂工事中』(テレビ東京系)で、17thシングルの選抜メンバーを発表した。
今回は16thシングル『サヨナラの意味』の19人選抜から2人が増加し、21人選抜に変更。13thシングル表題曲「今、話したい誰かがいる」以来となるWセンター制で、同作と同じく西野七瀬と白石麻衣がセンターへと抜擢された。ほかにも、秋元真夏が初めて1列目の位置に移動し、寺田蘭世が初選抜入り、中田花奈・樋口日奈・斉藤優里が久しぶりの選抜復帰を果たした。
2017年最初のシングルでWセンター制を打ち出したこと、過去最多となった選抜メンバーの人数は、どのような意味を持つのだろうか。リアルサウンドで乃木坂46系の記事を多数執筆し、『「アイドル」の読み方: 混乱する「語り」を問う(青弓社ライブラリー)』の著者でもある香月孝史氏はまず、今作の位置付けについてこう定義する。
「乃木坂46が2016年にリリースしたシングルは、深川麻衣さんの卒業(『ハルジオンが咲く頃』)、齋藤飛鳥さんの初センター抜擢(『裸足でSummer』)、橋本奈々未さんの卒業(『サヨナラの意味』)と、いずれも大きなイベントが伴うものでした。17thシングルの選抜メンバーは、フロントメンバーが変動し続けるその流れに一つの区切りをつけ、落ち着いた状態で、現在の乃木坂46の「顔」がもつポテンシャルを改めて確かめる布陣になっていると思います。この時、選抜メンバーとして見せるべき顔ぶれが増えているのは、現在グループ全体としても各メンバーの個人活動としても、乃木坂46が好調であることのあらわれともいえます」
また、同氏は西野と白石のWセンターについて「余計なことを考えさせなくてすむという意味合いも持つ」と解説する。
「先に挙げたように、ここ数作における単独センターが『抜擢』のほかに『卒業』の意味合いを強めるものでもあったため、17thシングルでキャリアのあるメンバーを単独センターに起用すると、ここ一年ほどの流れを受けて、そのメンバーの今後についての推察が加熱する可能性もあります。今回、13thシングルの際と同じ二人がWセンターに入り、福神にも馴染みのあるメンバーが顔を揃えたことで、その流れが一旦落ち着くのではないでしょうか。昨年も新センターという大きな変革は、夏シングルで訪れました。今作は昨年から引き続く層の厚さやグループの充実を見せ、もう一度しっかりと基盤を固めるもので、刺激的な動きは次作以降に訪れるのではと考えます」