KinKi Kids、関ジャニ∞、ジャニーズWESTーー関西出身ジャニーズの“自然体な魅力”を読み解く

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(C)タナカケンイチ

 今、フジテレビの週末お昼時はジャニーズファン注目の時間帯ではなかろうか。

土曜の『関ジャニ∞クロニクル』(以下、『クロニクル』)、日曜の『KinKi Kidsのブンブブーン』(以下、『ブンブブーン』)は、ともに13時30分からの30分番組である。関ジャニ∞(以下、関ジャニ)の番組は各メンバーのキャラクターを浮き彫りにするような企画性の高さが、KinKi Kids(以下、キンキ)の番組はゲストとの交流のなかで二人の素の部分が出るロケの醍醐味がそれぞれ感じられ、見どころたっぷりだ。

そしてこの二つのグループには共通点がある。そう、メンバー全員が関西出身で、ドラマの役柄などによるとき以外は仕事の場面でもずっと関西弁なことである。

 キンキは、関西弁を話すジャニーズのまさにパイオニア的存在だ。二人が登場した1990年代前半、ジャニーズに限らず“方言を話すアイドル”は、まだ私たちの常識になかった。だからキンキが、CDデビュー前に武道館コンサートを開催し、『硝子の少年』(1997)でデビュー後もヒット曲を連発するなどアイドルとして大きな成功を収めたことは、画期的な出来事でもあった。

 ただ、方言のなかでも、関西弁にはもっと特別な意味があった。それはそのまま、関西独特のお笑い文化がジャニーズに持ち込まれることでもあったからである。

 1980年代初頭、マンザイブームが起こる。ブームをけん引したのは、『花王名人劇場』、『THE MANZAI』、そして『オレたちひょうきん族』など主にフジテレビ系列のテレビ番組だったが、それは同時に吉本的なボケとツッコミの笑いが全国区になるということでもあった。今でこそテレビのバラエティ番組から関西弁が聞こえてこない日はないくらいだが、そうなったのはこのあたりからである。

 ジャニーズ史上初のデュオで、互いを「相方」と呼び合うキンキは、ともに1979年生まれのマンザイブーム以降に育った世代らしく、やりとりが自然に漫才のボケとツッコミの掛け合いのようになっている。基本は、堂本剛がボケで、堂本光一がツッコミの役回りだ。特に小学生のころお笑い芸人になりたかったという堂本剛は、大喜利ライブ「小喜利の私」を単独で開くほど、お笑いへのこだわりが強い。

 とは言え、キンキの二人はあくまでジャニーズのアイドルである。二人にとってボケとツッコミは、お笑いの専門技術というよりも、コミュニケーションのスタイルとして重要なものだ。漫才は、日常の何気ない会話の面白さをベースにした芸である。キンキは、そんな漫才的な、気張らないフランクなコミュニケーションのスタイルを武器に、「自然体のジャニーズ」という新しいかたちをつくったと言えるのではあるまいか。

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