『VIVANT』第2シーズンはなぜ物足りなく感じる? 期待したい“結果”ではなく“過程”の妙

TBS日曜劇場『VIVANT』第2シーズンは、すでに5話(話数のカウント上は15話)まで物語が進んだ。通常の全10話構成の連続ドラマでは折り返し地点に差し掛かる頃ではあるが、本作の場合は2クールの放送なので、まだまだ“序盤”ということか。
ここまで視聴率はすべて15%以上をキープしており、TVerなどの見逃し配信の再生回数も上々。“キャスト以外の情報を明かさない”という鳴り物入りでスタートした第1シーズンのときと同様、今クールのドラマの話題の中心にいることは間違いないだろう。とはいえ大きな話題を集める以上、好意的な意見と同じくらい否定的な意見も目立ってしまうのは致しかたないところかもしれない。本稿では、そうした否定的な見方を軸にして、この『VIVANT』第2シーズンのここまでを考えていくことにしよう。

まずもっていえるのは、同じ『VIVANT』であっても第1シーズンとはまるで毛色の違う作品であるということである。ざっと第1シーズンを振り返れば、丸菱商事に勤める商社マンの乃木(堺雅人)が誤送金事件を発端に異国の地バルカに渡り、そこでさらなるトラブルに巻き込まれていく。“別班”という謎めいた存在と、テロ組織“テント”という二つの軸をもって、乃木が実は別班のメンバーであるという作劇上の大転換と、テントの指導者ノゴーン・ベキ(役所広司)が乃木の生き別れの父であるというドラマ性を拠りどころにして物語が進められていった。
対して今回の第2シーズンはどうか。すでに別班のミステリアス性はなくなり、テントは解体しほとんど背景のように話に軽く登場する程度に留まる。主な筋書きとしては、他の別班メンバーたちが拉致され、たまたま難を逃れた乃木がその真相を追っていくというもので、キプロスやタイに渡り、第1シーズンにも登場した登場人物に疑惑の目を向け尋問するも有力な情報は得られず。丸菱商事の長野専務(小日向文世)が実は別班だったという新情報が提示されつつ、乃木が絶大な信頼を寄せる公安の野崎(阿部寛)が裏切り者であるという疑惑も浮上。第15話のラストでは、野崎が中国の諜報組織「シンシー」に潜入捜査中である可能性が示唆されたのである。
海外でのロケーションを差し入れ、日本国内のロケ地であっても器用に海外に見立てる美術的な旨みと、それによって導かれる日本のドラマとしては珍しいリッチな画面は本作通じての特長といえる部分だろう。タイのチョッキー(OHM)の隠れ家で新庄竜星涼)が納豆をかき回している背景に、はっきりと岐阜県のシルエット(撮影に使われたのは岐阜県庁で、野崎がハン・リンシンと会話する見晴らしの良い場所も岐阜県庁の建物だ)が見えていたのは気になったが。

ただ、父と子の関係という極めてミニマムな物語を広大なロケーションと大勢の登場人物のなかで仰々しくも貫き通したシーズン1と比較して、国家の威信をかけてさまざまな国を往来するという非常に大きな物語がほとんどコンピューターの画面の前でサクサクと進められていく点は、どうしても狭く小さなものに見えてしまう。ちらほらと新キャラクターが登場していても、基本的には既存キャラクターの再検討ばかりに固執している点も然り。


















