『リラの花咲くけものみち2』は青春譚から“命”の物語に 山田杏奈が体現した喪失と再生

『リラの花咲くけものみち2』(NHK総合)が、本日最終回を迎える。2025年2月に放送された土曜ドラマ『リラの花咲くけものみち』の続編にあたる。北海道の大学で獣医師を目指す少女の成長を描いた藤岡陽子の同名小説(光文社)を原作に、NHK連続テレビ小説『スカーレット』の水橋文美江が脚本を手掛けたシーズン1は、北海道の大自然を舞台に、獣医師を目指す主人公・岸本聡里(山田杏奈)の成長と同級生たちとの絆を描いた。
物語の合間に挟み込まれる、壮大な北海道の大地を走る野生動物たちの様子の可愛らしさ。その中で、山田杏奈、當真あみ、萩原利久という魅力的な若手俳優たちが織りなす青春譚は、全3話という連続ドラマとしては限られた時間の中でキラキラと煌めいていて、鮮烈なものがあった。

そして2026年8月、シーズン2として戻ってきた本作(脚本は水橋文美江に加え、今西祐子、木滝りまが手掛ける)は、聡里ら北農大学獣医学部群の学生たちが卒業し、それぞれの道で奮闘する姿を描いていて、シーズン1よりもさらに大きくて過酷な「いのち」の話となっていた。
シーズン1の続きを順に描いていると同時に、すべての出来事は、シーズン1に呼応している。卒業式での綾華(當真あみ)による答辞、聡里の一馬(佐藤寛太)への長い片思いの決着。「大切なことを伝えたいときは大きな声ではっきりと。腹式呼吸で」という祖母・チドリ(風吹ジュン)の言葉を忘れずに、誰に対しても真っ直ぐに自分の思いを伝えることができるようになった聡里と、聡里のことが大好きな仲間たちの姿を見ていると、彼ら彼女たちの成長に、演じる俳優たちの変化も加わって、本当の卒業式を目の当たりにしたかのように見えるのも、1年を経た「続編」の強みと言える。

しかし、それは単なる序章にすぎず、シーズン2が真正面から描いたのは、聡里が「口蹄疫」と向き合う姿だった。聡里が、尊敬する獣医師・能見(甲本雅裕)のもと、大動物の獣医師として働き始めた矢先の出来事だ。折原勝喜(温水洋一)と家族が営む折原牧場で口蹄疫感染が発覚し、牧場内のすべての牛を殺処分することが決定する。
口蹄疫とは何か、感染したらどうなるのか、殺処分の行程、その後の牧場へのサポートの詳細、さらには遅延性PTSDの危険性についてまで解説する丁寧さはNHKのドラマならではである。そこに、シーズン2の新たな登場人物である、家畜保健衛生所職員・犬飼(上川隆也)が加わった。シーズン1からの繋がりをもって描かれる、勝喜・美和(水木薫)夫婦と孫の七海(大石愛陽)が営む小さな牧場と、獣医師の2人・能見と聡里の関係性は言うまでもないが、彼らと対峙し、残酷な決断を下さなければならない役割を担う犬飼を演じるのが上川隆也というのも、俳優自身から滲み出る誠実さゆえの説得力があった。



















