横浜流星×広瀬すずは間違いないゴールデンコンビだ 遂に実現した“W主演”までの道のり

横浜流星×広瀬すずの“W主演”までの道のり

 「本屋大賞」など数々の賞に輝いた、凪良ゆうの恋愛小説『汝、星のごとく』が、2026年に映画化されることが発表になった。監督は、『新聞記者』(2020年)や『正体』(2024年)などで知られる藤井道人。そして主演は、同じく凪良が原作の『流浪の月』(2022年)で共演した、横浜流星と広瀬すずの二人だという。両名は『片思い世界』にも出演しており、これで3回目の共演にして、W主演を務めることになる。

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 横浜と広瀬の映画初共演作『流浪の月』を振り返ってみよう。監督は、『国宝』でも高い評価を得ている李相日だ。映像へのこだわりはもちろん、役者の演技力を最大限に引き出す演出に定評がある。広瀬は、同監督の『怒り』(2016年)にも出演しており、その時には「撮影が終わらないかと思った」というほどダメ出しされたという(※1)。『流浪の月』でも、誘拐の被害者とされていた少女・更紗が大人になった時代を演じていて、複雑な役に苦労したようだ。「こんなにも変に頭を使って役を理解しようとしてしまったのは、私の中でも初めて」とし、横浜との共演シーンについて次のように話している。

「現場では、何をどう撮られているか正直よくわからないままで、お芝居で感情に触れることだけを自分に求めていました。映像を見ると、キャストのアップの目線がとても印象的で、視線の力の入り具合や、少しの揺らぎからそれぞれが抱えているつらさが繊細に伝わりすぎて、なんて大変な現場だったのだろうと心が苦しくなるほどでした」(※2)

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2013年に『幽かな彼女』(関西テレビ・フジテレビ系)で女優デビューしてから早10年。主演を務めたTBS火曜ドラマ『夕暮れに、手…

 横浜の役は、一見爽やかなイケメンにみえるも、内面には暗いものを抱えており、DVの気質があるという更紗の恋人・亮。その演技には鬼気迫るものがあった。冒頭での広瀬とのベッドシーンは、いわゆる恋人たちの仕草ではあるのに、エロティシズムよりも凶暴性のようなものを感じさせ、観客に「嫌な予感」のようなものを感じさせるのに成功している。DVシーンは、行為自体はそれほど強烈ではないのに、更紗への歪んだ愛と自虐的な羞恥心、重く苦しい感情が生々しく、その演技の凄みに引き込まれた。

 横浜自身はインタビューで「自分を見失うことがあまりなくて」ということで、役の気持ちをつかむために、李監督の提案で広瀬に膝枕してもらったのだという。このことに広瀬は、「そこから敬語をやめて話をしようとなって。肉体的に接触するだけで、心の距離感などは違いましたね」と、打ち解けて演技ができたことを話している(※3)。自分の中にはない難役をこなしたことで、二人にとってこの作品が役者としての転機になったのだろうと感じる。

横浜流星が語る、先輩から学んだ一年とこれから 「僕の中で1番大きいのは応援してくれている人たち」

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