広瀬すず「無理して頑張っていた時期もあった」 意識するようになった“自分の人生”

広瀬すずが語る、仕事に対する考え方の変化

 2013年に『幽かな彼女』(関西テレビ・フジテレビ系)で女優デビューしてから早10年。主演を務めたTBS火曜ドラマ『夕暮れに、手をつなぐ』での好演や、『流浪の月』で第46回日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞するなど、“実力派”としての評価を確固たるものにしている広瀬すず。そんな広瀬が櫻井翔と共に主演を務めた2021年放送のドラマ『ネメシス』(日本テレビ系)が、『映画 ネメシス 黄金螺旋の謎』として映画化。探偵事務所「ネメシス」に立ちふさがる“最大の敵”窓役の佐藤浩市と対峙するなど、また新たな一面を見せている。そんな広瀬だが、ここ数年の間で、女優という仕事に対する考え方が変わったという。いったい彼女にどのような変化があったのかーー。【インタビューの最後には、コメント動画&サイン入りチェキプレゼント企画あり】

「落ちていくのを演じる方が多分ラク」

ーー出演していた連ドラが映画化されるパターンは広瀬さんにとって『ネメシス』が初めてですよね。映画化が決まったときの心境はいかがでしたか?

広瀬すず(以下、広瀬):3~4カ月の間、ドラマの撮影でほぼ毎日一緒にいた仲間たちとまた違う形でもう1作品一緒にやれるのは、こんなに嬉しいことはないなと思いました。ドラマとはまた違って、映画の場合は時間をかけて作れるので、それも映画ならではだなと。でも、難しいなと思いました。ドラマだと10話あったら10時間分の物語が描けますが、映画だと2時間で描かなければいけない。登場人物の関係性や時間の流れ方がどういうふうになるのかは楽しみの一つでもありつつ、正直あまり想像できなかったというのが正直な感想です。

ーー映画化が決まったのはドラマの反響が大きかったからこそだと思うのですが、実際広瀬さんのもとにも反響は届いていましたか?

広瀬:子供からすごく声をかけられるようになりました。「あ、なんか飛ぶ人でしょ?」みたいな(笑)。

ーーアンナの「ちょっと入ります」のことですね(笑)。

広瀬:はい(笑)。知り合いの子供とかからすごい言われて。子どもにウケてるんだ、と思いました(笑)。

ーーそれも嬉しい反応ですよね。今回の映画での役作りに関しては、連ドラでやっていた分、アンナにはすんなり戻れる感じだったんでしょうか?

広瀬:それが、間に1年あったので、「忘れちゃったなぁ……」みたいな感覚でした(笑)。でも実際に現場に入ってみんなといると、「あぁ、こんな感じでやってたな。懐かしいな」みたいな感じで、自ずと戻っていきました。ただ、今回は1人でいるシーンや頭の中でぐるぐるといろんなことを考えるシーンが多かったので、「全然会えないな~」とは思っていました(笑)。

ーー自分の中にある演技の引き出しから引っ張ってくる感覚なんですか?

広瀬:そうではなく、役を自分に近づけていく感覚です。演じる役と自分の中にある感情を寄せていく作業というか。なので思い出したら早く戻れるんです。

ーーアンナもそうですが、広瀬さんは何かを抱えていたりする役を演じることが多いですよね。

広瀬:そうなんです。そんなふうに見えているんですかね……自分でも「なんでこんなに多いんだろう?」と思うくらい多いです(笑)。10代の頃は元気いっぱいな役も多かったんですけど、そっちの方が体力を使いました。

ーーそうなんですか?

広瀬:自分にそういう感情がないのに「笑って」と言われたら難しいじゃないですか。それを保つのも意外と難しかったりするんです。私は落ちていくのを演じる方が多分ラクなんです。実際、そういう役の方が惹かれたりやりたいと思ったりします。なんでなのかは自分でもよくわからないんですけど(笑)。でも、作品に何か一つでもそういうテーマがあると、やっていて面白いと思えるので、私は好きです。

ーーそれで言うと、先日まで放送されていた『夕暮れに、手をつなぐ』(TBS系)の浅葱空豆は天真爛漫な役柄だったので難しかったのでは?

広瀬:空豆は難しかったですね。でも、家族のことだったり音(永瀬廉)との関係で悩んだりと、繊細な部分もたくさんあったので、演じていてすごく楽しかったです。“ただ元気で活発な女の子”にならないように演じることを意識していました。アンナもそうで、“明るいんだけどなんかちょっと違う”という感じを、少しでも形にできたらいいなと思って演じていました。

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