『対岸の家事』詩穂が白山にかけたあったかい言葉　“中谷”ディーン・フジオカが名言を連発

　夫に守られて家事だけしていればいいと専業主婦を侮っている白山こそが、古い価値観に囚われているに他ならないが、それもこれも中谷が言う通り「家事の過酷さ」を知らないことが原因だろう。「新しい生き方をして、これからの人のために」と息巻くわりには、「こうあるべき」に誰よりも縛られているのが白山だったのかもしれない。

　そんな彼女に、自分も穴に落ちそうになった時に坂上（田中美佐子）がかけてくれた言葉のバトンを渡す詩穂は、即席で作ったうどん同様にあったかい。

「いつか笑って話せる日が来ます。白山さんの寂しかった日々が、苦しかった日々が誰かを助ける日がきっと来る」

　さらに、詩穂は「大丈夫です、私たちがいます」と重ねる。それは白山がこれまで掛けられた医師からの「赤ちゃんにはお母さんしかいないんだからしっかりしないと」や、行政担当者からの「みんな子育てしてるんだから大丈夫」という、エールの振りをした“ここまでの関与です”という線引きとは全く異なる、包み込むような響きがある。

　また、そこで父親の純也（緒形直人）も同じように時代が求める「こうあるべき」に囚われ、全てを投げ出してしまっただけだったのかもしれないと思い至るようになる詩穂。そんな詩穂は父親に今何を伝えようとするのか。次回いよいよ最終話。それぞれがどんな家族の在り方を選ぼうとするのか見守りたい。

■放送情報
火曜ドラマ『対岸の家事～これが、私の生きる道！～』
TBS系にて、毎週火曜22:00〜22:57放送
出演：多部未華子、江口のりこ、ディーン・フジオカ、一ノ瀬ワタル、島袋寛子、田辺桃子、織田梨沙、松本怜生、川西賢志郎、永井花奈、寿昌磨、吉玉帆花、五十嵐美桜、中井友望、萩原護、西野凪沙、美村里江、緒形直人、田中美佐子
原作：朱野帰子『対岸の家事』（講談社文庫）
脚本：青塚美穂、大塚祐希、開真理
プロデューサー：倉貫健二郎、阿部愛沙美
演出：竹村謙太郎、坂上卓哉、林雅貴
編成：吉藤芽衣
製作：TBSスパークル、TBS
©TBS
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