朝ドラ『あさが来た』五代様ブームから10年 ディーン・フジオカが不動の人気になった理由

ディーン・フジオカ、“不動の人気”の理由

 今から約10年前に放送されたNHK連続テレビ小説『あさが来た』(2015年度後期)の五代友厚役でブレイクしたディーン・フジオカ。入れ替わりの激しい「イケメン俳優」のポジションで、不動の人気を誇っている。近年でも『星降る夜に』(2023年/テレビ朝日系)、朝ドラ『らんまん』(2023年度前期)、『パリピ孔明』(2023年/フジテレビ系)、『正直不動産』シリーズ(2022年〜/NHK)、映画『ラストマイル』(2024年)など、話題作への出演に枚挙のいとまがない。その人気の秘密はどこにあるのか、紐解いてみたい。

 現在放送中のドラマ『対岸の家事~これが、私の生きる道!~』(TBS系)でフジオカは、主人公・詩穂(多部未華子)のパパ友・中谷達也を演じている。厚生労働省のエリート官僚として率先して育休を取っているという役どころで、その「賢いハンサム」ぶりはハマり役と言っていいだろう。合理的に育児や家事、家庭生活を進めようとする、バカ真面目すぎて滑稽になってしまうパパをコミカルに演じている。現在44歳ということだが、そのビジュアルも10年前とほとんど変わっていないように見え、たどたどしい子育てぶりには、むしろ初々しさを感じさせるほどだ。

 そもそも2015年に『あさが来た』でブレイクした時、フジオカはすでに33歳だった。「イケメン俳優」と呼ばれるには少し遅いタイミングかもしれないが、それまでに海外でデビューし、すでに俳優として活躍していたため、「逆輸入俳優」と呼ばれて世間をざわつかせた。

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 密着番組などで紹介された経歴によれば、フジオカは18歳で日本を飛び出し、アメリカの大学で学んでいる。俳優やモデルになるつもりはなく、ITを学んでビジネスの世界で生きていこうとしていたようだ。10代の頃から世界を視野に入れる聡明さと大胆さ、行動力の高さがうかがえる。

 一方で、両親の影響もあり、音楽には早くから親しんでいたようで、幼少期からピアノのほか、ギターも習っていたという。留学中はシアトルのカルチャーの中で、自然とラップを始める。2001年に「9.11」(アメリカ同時多発テロ事件)があり、ビザの関係でアメリカでの就職が難しくなったフジオカは、アジアを放浪(※1)。香港で飛び入りしたクラブイベントでラップを披露したところ、スカウトされてモデルデビューした。2006年に、香港映画『八月の物語』の主演に抜擢され、同作が国際映画祭などに出品されたことで国際的に注目を集める。その後、台北に拠点を移してドラマなどの俳優として活動、2009年には、音楽制作のためジャカルタへ渡る。2011年から日本でも活動を始め、2015年に朝ドラ出演となった。またプライベートでは、2012年にインドネシア人の女性と結婚して3人の子どもに恵まれており、フジオカのInstagramではたびたび家族との時間も公開されている(※2)。

 
 
 
 
 
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 こうしてみてみると、「逆輸入俳優」という言葉以上に、グローバルでボーダレスな活動をしてきた特異な才能の持ち主であることが改めてわかる。

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