『あんぱん』江口のりこは“バタコさんのような存在” 名バイプレイヤーが演じ分ける女性像
NHK連続テレビ小説『あんぱん』は、第2週に入り、父・結太郎(加瀬亮)を亡くしたのぶ(永瀬ゆずな)と家族が、結太郎の死からなんとか乗り越えようとする姿が描かれる。草吉(阿部サダヲ)の作ったあんぱんを食べて生きる力をもらった朝田家だったが、のぶの母・羽多子(江口のりこ)はあんぱんが心をホカホカにしてくれたと笑顔になっていた。
そんな羽多子は、第2週の予告で「あてにパンの作り方を教えてもらえませんろうか」と言っているが、これは草吉に教えを請う言葉だろう。草吉は『アンパンマン』の「ジャムおじさん」をモデルにした人物と思われるが、羽多子のこのセリフと、名前が「はたこ」という読みから、彼女は「バタコさん」を想起させるキャラクターであることがうかがえる。公式サイトによると羽多子は「朝田家を支え続ける、家庭的で趣深い母。夫を尊敬し、子どもたちには平等に接する」と書かれているが、優しいバタコさんのイメージと合致する(※)。
『あんぱん』登場人物を『アンパンマン』に重ねてみた 阿部サダヲがジャムおじさん?
NHK連続テレビ小説『あんぱん』が3月31日から放送開始となる。本作は、『アンパンマン』を生み出した漫画家・やなせたかしと妻・小…
夫・結太郎を亡くした羽多子は悲しみに暮れる暇もなく、息子を失ってひどく落ち込む義母・くら(浅田美代子)や、のぶら子どもたちの世話をしたり、励ましたりしなければならない。どうにか朝田家を盛り立てるために、パン作りを始める。
羽多子は、のぶが小学校で嵩(木村優来)を守ろうとして、同級生男子を投げ飛ばしてしまった時でも、声を荒げて叱ることはなく、「なんぼ自分が正しい思うたち、乱暴はいかん」と穏やかな口調で諭し、「恨みは恨みしか生まんがよ」と、のぶに教訓を与えており、観ていて理想的な母親だと感じた。

羽多子を演じる江口は、4月期は『あんぱん』のほかに、『対岸の家事〜これが、私の生きる道!〜』(TBS系)と、『ソロ活女子のススメ5』(テレビ東京系)にレギュラー出演している。3本のドラマで彼女が演じている役は、全くタイプが異なっているのが興味深い。