『まどか26歳』“まどか”芳根京子たちの成長に心が軽くなる 見事な“変化”で佐々木希が好演

『まどか26歳』まどかたちの成長

 いくつもの正論を並べ立てるよりも、倒れても倒れてもまた立ちあがりファイティングポーズを取る選手の姿を目の当たりにすることの威力たるや凄まじい。さらにそれを側で応援してくれたその時間や空間こそが、友梨が弱っていた心を立て直していくのを手伝う。突然の宣告に、「なぜ私だけが……」という思いが拭いきれなかったのだろうところから、闘うフィールドは違っても皆それぞれの闘いに挑んでいることに気づき、そしてそんな時間を共有できる相手がすぐ隣にいることに「一人じゃない」と心強く思えたのだろう。

 弱りきっていたところから無事手術を終え晴々しい表情で病院を後にする友梨役を好演した佐々木希の変化が見事だった。

 「この病院を選んでよかった。ありがとう、まどか先生」と友梨より心からの賛辞と感謝を送られたまどかは、角田の言う通り本当に「良い顔」をしていた。芳根京子扮するまどかが、目の前の壁にぶつかりながらもそれを少しずつ着実に乗り越えていく姿には、救われる思いがする。

 そして「医師か女子か?」という手塚(木村多江)からの問いかけにも、まどかは「医師であると同時に女子なんだって思いました。女性の医師にしかできない仕事もあるから」と、自分なりの解を見出していた。女性としてのライフスタイルやライフステージと医師という職業が対立するものではなく、内包し合い融合し、いずれも自身を構成する大切な要素として捉えられているまどかの心持ちもまた素敵だ。恋人の直人(渡邊圭祐)へのあらぬ疑惑も晴れたまどかだが、今度はどうやら同期の桃木(吉村界人)がSNSで発信した動画が炎上してしまったらしく、“今っぽい”苦難が彼らに降りかかりそうだ。

 毎話、担当する科が変わり「医師」という一言ではとても括られないその職業の在り方を垣間見られる本作。医師としても人としても躓きながらも伸びやかに成長していくまどかたちの姿にふっと心が軽く、そしてあったかくなる。

『まどか26歳、研修医やってます!』の画像

火曜ドラマ「まどか26歳、研修医やってます!」

“お医者さんだって、幸せになりたい!”と願う主人公の研修医が、変わりゆく医療現場で戸惑いながらも、ベテラン医師たちの試練に立ち向かい、同期の仲間たちと励まし合って、医師として女子として、人生と向き合う姿を描く。

■放送情報
火曜ドラマ『まどか26歳、研修医やってます!』
TBS系にて、毎週火曜22:00~22:57放送
出演:芳根京子、鈴木伸之、髙橋ひかる、大西流星、吉村界人、小西桜子、渡邊圭祐、堀田茜、佐野弘樹、岩男海史、小松利昌、信川清順、板倉俊之(インパルス)、森カンナ、赤堀雅秋、溝端淳平、佐藤隆太、木村多江、奥田瑛二
声の出演:大塚明夫、大谷育江
原作:水谷緑『まどか26歳、研修医やってます!』『あたふた研修医やってます。』『離島で研修医やってきました。』(KADOKAWA刊)
脚本:前川洋一、船橋勧、松井香奈、村野玲子、原野吉弘
音楽:伊賀拓郎
主題歌:星野源「Eureka」(スピードスターレコーズ)
演出:井村太一、山本剛義、大内舞子
プロデュース:塩村香里、松本桂子
編成:武田梓
製作:TBSスパークル、TBS
©TBS
©Midori Mizutani/KADOKAWA
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/madoka26_tbs/
公式X(旧Twitter):@madoka26_tbs
公式Instagram:madoka26_tbs
公式TikTok:@madoka26_tbs

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