芳根京子の熱狂ぶりにDeNAファンが興奮 『まどか26歳』のベイスターズ愛を語りたい

芳根京子主演『まどか26歳、研修医やってます!』(TBS系)が実に面白い。放送前に公開されたビジュアルや、予告編などから、ポップな「ザ・TBS火曜ドラマ」になるのかと思いきや、その魅力は残しつつ、お仕事ドラマとして、ヒューマンドラマとして、ときにシリアスな部分も描く、全世代の社会人が楽しめる巧みな作劇となっている。
魅力的な登場人物や抑制の効いたストーリー展開など、本作の褒めどころは多岐にわたるのだが、本稿ではあえて、やり過ぎともいえるほどの本作の“ベイスターズ愛”に焦点を当てたい。
2024年11月某日、「TBS連続ドラマへの出演者大募集!」のメールが、横浜DeNAベイスターズファンクラブ会員のもとに届いた。何を隠そう、筆者も筋金入りのベイスターズファン。26年ぶりの日本一の興奮が冷めやまぬ頃だったこともあり、日本一記念の特別ドラマ、単発ドラマを深夜枠などで作るのかと当時は想像していた。が、まさかまさかのTBS火曜ドラマ、しかも主演が芳根京子という大メジャーコンテンツ。
もともと、ベイスターズの親会社をTBSが過去に担っていたこと、メイン中継局がTBSチャンネルである縁もあり、これまでもドラマの中にベイスターズ要素はちらほらありはした。野球ドラマとして記憶に新しいTBS日曜劇場『下剋上球児』では、黒木華演じる山住先生がベイスターズファンの設定で、デスクまわりには球団マスコットのチャピーやDB.キララ、スターナイト(夏に3試合だけ特別ユニフォームが配布されるイベント)のユニフォームなどが並べられていた。また、ライバルだった星葉高校・児玉拓海(羽谷勝太)は横浜DeNAベイスターズに入団し、ユニフォーム姿まで披露した。
『下剋上球児』最終回ご視聴ありがとうございました!
越山高校
甲子園出場おめでとう!!
下から這い上がる強さ。泥々になっても全力でするプレー。諦めない姿。好きな事に全てを賭ける事の美しさ。輝いてた。カッコよかった。
そして児玉はというと、大学卒業を経て… pic.twitter.com/hfI484g3s8
— 羽谷勝太 Syota Hatani (@syotadayo_n) December 17, 2023
『下剋上球児』も十分ベイスターズ要素を押し出していてくれたと言えるが、『まどか26歳、研修医やってます!』はその比ではない。横浜スタジアムでの試合完全再現、応援シーンを中心に、どうかしていると言えるぐらい、まどかのベイスターズファンとしての解像度が高すぎるのだ。
本作のベイスターズ愛が“本物”だと感じたのは、まどかの幼少期のシーン。まどかが医者を志すきっかけとなる劇中のアニメを観ているシーンで、しっかりとテレビ横には前球団マスコットであるホッシーのぬいぐるみが置いてあるのだ。2012年に横浜ベイスターズからDeNA横浜ベイスターズへ。この年から球団メインマスコットはDB.スターマンに変更。ホッシーは“故郷の星に帰ること”になった。この人形使いをひとつとっても、少なくともまどかは幼少期から10年以上にわたりベイスターズを応援し続けていることが分かる。

また、まどかの部屋に飾られているユニフォーム棚には、2024年までのホームユニフォームとは別に、1998年の優勝時に着用されていたブルーのアウェイユニフォームが。ファンからも人気が高いユニフォームであり、何度か再販していることからも、まどかも大人になってから購入したのだと予想される。常設販売しているユニフォームだけではなく、まどかが長く、毎年のように観戦していることがこのユニフォームつかいからも分かるのだ。

これはベイスターズファンあるあるかもしれないが、まどかの部屋着はベイスターズロゴが入った球団オフィシャルのパーカーやトレーナー。近年はパッと見では、球団グッズなのか分からないアパレルが増えており、筆者も愛用している1人だが、ここまでさりげなくドラマの中の衣装として使われるとは。まどかのアラームが球団応援歌「熱き星たちよ」であることや、彼氏とのデート中の会話が投手起用の話だったり(ドラマからウィック、ケイの名前を聞く日が来るなんて)、スタッフの中に熱狂的なベイスターズファンがいるとしか思えない。