芳根京子、役者生活10年で変化したものとは? 心の支えとなった西島秀俊とのエピソードも

芳根京子が役者生活10年で変化したもの

 『表参道高校合唱部!』(TBS系)から約10年。『まどか26歳、研修医やってます!』でTBSドラマに芳根京子が主演として帰ってきた。26歳の等身大の女性を演じる本作で、医師の知られざる実態に迫りながら、人生の岐路に立つ誰もが共感できるストーリーを紡ぐ。野球観戦で息抜きをしたり、時に弱音を吐いたりーー。そんな等身大のキャラクターを通して、新生活を前に期待と不安を抱える視聴者に寄り添う作品の魅力に迫った。

「生きていく上でのヒントや、希望を与えることができる作品」

ーー『表参道高校合唱部!』以来、約10年ぶりのTBSドラマ主演作となりました。

芳根京子(以下、芳根):素直に本当に嬉しいです。10年前はまだ10代。この仕事をいつまで続けられるのかも分からなかったですし、自分がやりたいと思っていてもそれが叶う仕事ではないということも分かっていたので。当時、オーディションで選んでいただいたことは本当に大きな自信になりましたし、役者としての意識が大きく変化した作品でした。自分が仕事を続けていくことが制作陣の皆さんへの恩返しにもなると思いながら過ごしてきて、こうして再び戻ってこられたこと、本当に嬉しいです。「歩んできた道のりは間違っていなかったよ」と言ってもらえているような気がして。10年前の感謝の気持ちを忘れずに、また本作に向き合っていきたいと思っています。

ーー10年前から大きく変わったなと思う点は?

芳根:当時は“自分のことだけ”だったなと振り返ると思います。合唱シーンが中心にある作品だったので、歌を練習して、必死でセリフを覚えて……本当にそれだけのことしか考えられなかったんです。いまは現場を少しでも楽しく、携わる皆さんに「この作品をやれてよかったな」と思ってもらえるようにできたらと考えるようになりました。今も人見知りなところはあるのですが、コミュニケーションの取り方は大きく変わったなと思います。せっかくのこ゚縁で同じ時間を共有しているのだから、お話できない方がもったいない、さみしいなと思うようになりました。

ーー本作は24歳のまどかが医者として、1人の人間として成長していく2年間が描かれます。最初に本作のオファーが届いたとき、芳根さんはどんな印象を抱かれましたか?

芳根:メインの舞台は病院ではあるのですが、いわゆる“医療ドラマ”ではないんです。あくまで、まどかが2年間という時間の中で自分の人生をどう見つめていくのか、成長していくのかという人間ドラマで。いろんな生き方ができるようになった時代だからこそ、どうやって自分の幸せを掴んでいくのかが大切だと思うんです。本作はそんな多くの人が感じたことのある思いに対して、ちょっとした生きていく上でのヒントや、希望を与えることができる作品になるのではないかと思いました。

ーー原作コミックでは、意外と知られていない研修医の実態も描かれていますね。

芳根:そうなんです。多くの人にとってはドラマや映画でしか医師の世界を知ることはないと思うのですが、“リアル”を知ると本当に驚くことばかりで。第1話のラストに、まどかが「誰も褒めてくれない」とつぶやくセリフがあるのですが、これも医師の方々からすると“あるある”みたいで。多くの人は“患者”の立場で医師に接すると思うので、どうしても特別な存在に感じられてしまうと思うのですが、当たり前ではあるのですが同じ人間なんだなって。本当にこれまで分からなかったことや分かろうとしなかったことを本作を通して知ることができました。

ーー「病院が舞台」「人生と向き合う」といったキーワードだけを抜き出すと少し重い雰囲気の作品にもなりそうですが、公開されたビジュアルなどを見ると非常にポップな作品なんだなと感じます。

芳根:そうですね。医師であり、病院が舞台なので、しっかりと生命に向き合う真面目な部分はあるのですが、視聴者の皆さんが気負わずに観られる作品にしたいというのはスタッフの皆さんともお話しています。ちょっとコミカルなシーンもあれば、シリアスなシーンもある。まだ探り探りではあるのですが、火曜の夜に観ていただく“お仕事ドラマ”として、そのバランスは大事にしたいなと思っています。1月期の作品ということで、4月からの新生活に向けて視聴者の皆さんもドキドキしているタイミングかと思うんです。そんな方々にとって、「まどかと同じように一つずつ学んでいけばいいんだ」と思っていただける、寄り添えるような作品になれたらうれしいです。

ーーあらためて芳根さんが演じるまどかはどんなキャラクターなのでしょう?

芳根:監督からイメージとして共有していただいたのが、『ちびまる子ちゃん』のまるちゃんなんです。おっとりさもあるんですが、ちょっと毒も吐くみたいな(笑)。ひたむきに仕事に向き合ってはいるんだけども、決して聖人ではなくて。大好きな横浜DeNAベイスターズの試合を観に行ってストレスを発散したり、チームの勝敗に喜んだり落ち込んだり。すごく等身大のチャーミングな女性なので、背伸びをしすぎないように演じていきたいと考えています。

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