菜々緒×鈴木伸之、忍者の夫婦に共感間違いなし？　「小さいことの積み重ねの方が根が深い」

文・取材＝間瀬佑一

　1月5日に放送がスタートする『忍者に結婚は難しい』（フジテレビ系）に、菜々緒と鈴木伸之が夫婦役で出演する。しかし夫婦役とはいえ、実はそれぞれ伊賀と甲賀の忍者で、2人はその事実に気づかずに結婚生活を送っている、という設定だ。

　本作の見どころはやはり忍者のアクションシーンをはじめ、現実に忍者がいることの違和感や陰謀渦巻く世界感なのかと思っていると、菜々緒と鈴木は口を揃えて「恋愛や結婚の“あるある”」が魅力だと答え、本作は“共感エンターテインメント”だと表現した。そこで、原作も読んだ上で撮影に臨む2人に、本作の“あるある”な魅力や見どころ、撮影で楽しみにしていることを聞いた。

菜々緒「お相手が鈴木さんで良かった」

ーー本作のオファーを受けたときの感想を教えてください。

菜々緒：とても嬉しかったです。私、占いによく行くんですが、前世を聞くと必ず魔女か忍者って言われるんです。いつもこの2つを言われてきたので、いずれ忍者の役とか来るのかなと思っていたら、今回ばっちりいただけました（笑）。なので、もしかしたら昔やっていたかもしれない忍者を、“演じる”というよりは、ただ“生きる”ように今まで通り普通にやる、みたいな感じで臨めたらと思っています（笑）。

鈴木伸之（以下、鈴木）：今回演じるにあたって、原作の小説も拝読いたしました。すると、忍者は世田谷区に多く住んでいるとか、郵便局勤めが多い、みたいな書かれ方が冒頭でされていて、本当に忍者の末裔がそういうふうに暮らしてるのかなと思っていました。その後スタッフさんとお話していたときに、どうも話が噛み合わなくて、そのときにやっぱりフィクションだったことに気づきました（笑）。でもそれくらい忍者に関する知識がないところから入っているんですが、忍者を題材にした作品って今までもあまりなかったですし、この忍者という題材を自分がどういうふうに表現していけるのか、自分自身に対してすごく挑戦できる、ありがたい機会だなと感じています。

ーー今回それぞれ演じられる役柄について、原作もお読みになった上でどのように感じましたか？

菜々緒：草刈蛍は、一匹狼で、女忍者も自由に活躍する派閥の中で甲賀のしきたりを守って育ってきたので、しっかり者です。なので、鈴木さん演じる草刈悟郎さんのだらしないところがちょっとイラッときたりするんだと思います。忍者のときの蛍や夫婦関係での蛍、そういった場面ごとの表情を丁寧に演じていきたいなと思っています。

鈴木：悟郎はズボラでおおらかな人で、ご飯をボロボロこぼしたり、第1話でも、男性がトイレを立ってするか、座ってするかみたいなところで揉めたりするなど、あまり奥さんのことを考えているようなタイプではないんです。でも、そんな2人がどういう夫婦生活を送っていくのかは、このドラマの大切なテーマだと思っているので、菜々緒さんと一緒に大事に演じていけたらと思っています。

ーー今回夫婦役を演じるにあたり、お互いどんな印象を持っていますか？

菜々緒：鈴木さんはすごく礼儀正しくて穏やかな印象で、実際にお会いしても温かい感じで迎えてくださいました。現場の雰囲気って人と人の関係が作り上げるもので、緊張して芝居に臨むよりは、打ち解けて穏やかな気持ちでお芝居できる方がやっぱり嬉しいので、今回お相手が鈴木さんで良かったなと思っています。

鈴木：僕は初めて菜々緒さんと一緒に演らせていただけることがすごく嬉しいです。同時に、作品や菜々緒さんの力になれるように頑張らないと、とも思っています。菜々緒さんが出演されている作品を観ると、いつも“強い”役をやられているイメージがあるのですが、僕の中では真逆で、ものすごく優しくておおらかで、空気感を大事にしてくれる方です。なので信頼していますし、肩を預けて、僕は僕で自分の役に対して一生懸命向き合っていいんだなと思わせてくれる人です。

ーーお2人はそれぞれ忍者にどのようなイメージを持っていますか？

菜々緒：私にとって忍者は、頭脳も体力も全てが鍛え上げられていて、何でも臨機応変に対応できるイメージがあります。本作ではアクションシーンもたくさんあると思うのですが、力技でねじ伏せるよりは、華麗に、巧みに、「美しさ」みたいなものを大切にしながら演じたいです。所作や身のこなし、普段の歩き方や自転車を漕ぐ姿勢など、そうした日常生活にも忍者っぽさが出ればいいなと思っています。

鈴木：僕も、幼い頃に忍者ごっこで遊んでいたような、手裏剣で遊んだり物陰に隠れたりするようなイメージを持っていました。でも昔の時代を遡っていろいろ調べていくうちに、“縁の下の力持ち”というか、功績を残した人の裏でその人を支えていたのが忍者という存在なのだと思いました。だから本作も、いろんな人の支えになれるような作品にしていけたらいいなと思いますし、登場人物に対してもお互いに支え合うように作品作りができたら、「忍者像」みたいなものが浮かび上がってくるのではないかと思っています。