『わたしの宝物』田中圭演じるモラハラ夫の事情が明らかに 子ども誕生で新たな波乱の予感

『わたしの宝物』子ども誕生で新たな波乱

 美羽(松本若菜)と幼なじみ・冬月(深澤辰哉)の間に出来た子どもを大号泣しながら抱き上げる宏樹(田中圭)の姿に、新たな波乱の予感を感じた『わたしの宝物』(フジテレビ系)第2話。モラハラ夫側の事情が徐々に明かされる。

 大手商社に勤務し、中間管理職として上からも下からも挟まれている宏樹。急に降ってくる会社からの辞令に、自分は使い勝手の良い駒で、歯車の1つなんだと突きつけられる思いがするのだろう。

 そんな時、ふと声をかけてくれた喫茶店のマスター・浅岡(北村一輝)が、宏樹に逃げ場を与えてくれる。喫茶店のマスターと客ではあれ、2人の間にコーヒー1杯以上の利害関係はない。宏樹が何らかの実績を上げ組織に貢献したら居場所が守られる会社という場と対極にある、どんな言動も受け入れられジャッジされない唯一の空間だ。

 妊娠を報告した際の美羽が内心喜んでいないことや、自分の帰宅後迎え入れてくれる妻の笑顔の機微を見抜けてしまう宏樹なのに、彼女を冷たく突き放してみたり邪険に扱ってみるのは、まるで自らの首を絞めるかのような行為だ。「妻に見えない青たんいっぱい作ってる」と言う宏樹から浅岡への告白には、彼自身の行き場のない苦しさや自身の不甲斐なさへの嫌悪が滲んでいた。

 そして彼は美羽が妊娠を心から喜べていないのは、彼女の合意なしに自分が無理やり事に及んだことで出来た子どもだからではないか、と考えているようだ。会社でのストレスを美羽にそのままぶつけてしまう自分のことが信じられず、子どもにも同じことをしてしまうのではないかと悩んだ宏樹は、最初から線引きすることにしたのだろう。子育てについて「俺は何もできない。やるつもりもない。俺に何も求めないでほしい。父親の役目はできない」と美羽に伝え、生まれてくる子どもを守るために自身が関与しすぎないように制御した。

 冬月との子を宏樹の手に触れさせず、経済的援助のみを受けて育てられるという、「托卵妻」の美羽にとっては願ってもない環境が整ったわけだ。しかし、切ないのは、美羽には “自分が大事なものを守るために手を引いた”という宏樹の本音はきっと伝わっていないことだ。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「リキャップ」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる