『わたしの宝物』三竿玲子Pに聞く、「托卵」を描いた理由 松本若菜らの起用理由も明かす
10月17日より放送がスタートしたフジテレビ系木10ドラマ『わたしの宝物』。夫以外の男性との子どもを産み、「夫との子である」と偽って夫に育てさせる「托卵」をテーマにした本作のプロデューサーを務める三竿玲子氏に、作品に込めた思いや、主演を務める松本若菜をはじめ、共演者の田中圭、深澤辰哉らの起用理由、さらには第2話以降の見どころを語ってもらった。
「托卵」をテーマにした作品ができるまで
本作は、夫以外の男性との間にできた子を、夫との子と偽って産んで育てる「托卵」を題材に、“大切な宝物”を守るために悪女になることを決意した女性・神崎美羽(松本若菜)とその夫・宏樹(田中圭)、そして彼女が愛した彼・冬月稜(深澤辰哉)の3人のもつれあう感情を完全オリジナル脚本で描いたもの。
三竿Pは、これまで“昼顔妻”を描いた『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』(フジテレビ系)と“セックスレス”をテーマにした『あなたがしてくれなくても』(フジテレビ系)を手掛けてきたが、本企画について「托卵というワードを知ったのは、『昼顔』のオンエア最終回の話を考えていたとき。『こんなショッキングなお話ってあるんだ』と驚いたんです」と振り返る。
「托卵」のテーマを思いついた際に、すぐに企画書にしたという三竿プロデューサー。しかしできあがった企画書を読んだとき「自分でも通さないかな」と思うぐらいドロドロしていたという。その理由について「托卵って調べてみると、確信犯的に、例えば『この人の遺伝子が欲しい』とかそういうちょっとモンスター的な悪女が企んで……というエピソードが多い。でもそれって視聴者的には共感しづらいのかなと思ったんです」と説明する。
その後、会社の部署移動などで、三竿P自身が制作を離れたこともあり、立ち消えになっていたが、再度現場に戻ったときに企画の練り直しに至ったという。
一番のポイントは、第1話にも集約されている“せざるを得ない”という主人公の心の動き。夫との夫婦関係や、幼なじみの海外での出来事など、美羽は「托卵」を“せざるを得ない”状況へと追い込まれていく。そのことで視聴者は美羽に感情移入しやすくなるのだ。