『秘密~THE TOP SECRET~』過去が現在に復讐する 暴力の連鎖とあまりにも哀しい結末

『秘密~THE TOP SECRET~』(カンテレ・フジテレビ系)第6話では、消えない悲しみが雪のように残った(※本記事はドラマ本編の内容に触れています)。
団地跡から見つかった死体。屍蝋化した遺体は腐臭を放ち、20年以上前に埋められたものと考えられた。遺体の下腹部には刺し傷がいくつもあり、殺意をもって犯行に及んだことが推認された。監察医の雪子(門脇麦)は第九で捜査すべきと言うが、薪(板垣李光人)は拒否する。理由は技術的な困難さだが、青木(中島裕翔)は自分がやると食い下がる。
同じ頃、雪子は友人の浜田葵(藤間爽子)から結婚式の招待状を手渡された。久々の会話は雪子の近況におよび、薪の名前も飛び出した。そこに偶然居合わせた薪は、初対面の葵がDVを受けていることを見抜くと、結婚を考え直すように進言した。
知らなければよかった。そう思った時には遅すぎて、知ってしまった秘密をなかったことにはできない。団地の集合写真に写っていた被害者には子どもがいて、兄妹の妹が葵であることが明らかになる。葵の父・堀江太一(木原勝利)はギャンブル依存症で、日常的に子どもに手を上げていたことが示唆される。再現されたMRI映像から太一を殺した犯人が判明するが……。
犯行当時10歳だった葵に、刑事責任を問うことはできない。だが、もし成人した葵が当時と同じ状況に置かれたら。再犯を危惧する薪たちに、最悪のタイミングで通報が入る。殺されたのは葵の兄の尚(橋本淳)で、刺したのは婚約者の翔(木田佳介)だった。繰り返される悲劇。葵を殴る翔を止めようとした尚が、逆に刺されたと考えられた。
暴力の連鎖に言葉が出ない。尚が生前に見ていたのは、父親に暴力を振るわれる母親の姿。母はそれが原因で亡くなった。逃れられない運命の鎖に絡め取られた兄と妹は、ただ幸せに暮らしたいと願っていた。兄は妹が傷つき、罪を犯すことを止めたかった。それなのに、どうして。























