『街並み照らすヤツら』澤本が正義を窮地に追い込む かくれんぼと鬼ごっこにおける“善悪”

『街並み照らすヤツら』正義が窮地に

 さらに終盤、本物の強盗たちに正義の名を騙って指南役をしていたとしてこの物語に飄々と舞い戻ってきたマサキ(萩原護)にまんまと逃げられてしまう正義たち。かと思えば、半ば偶然の鉢合わせでありながらも逃げようとしたマサキの腕をしっかりと掴んで捕まえることに成功した日下部。この両者のマサキをめぐる対比もまた然り。「鬼ごっこ」における善は日下部であり、悪はマサキ。そしてマサキを捕まえられない正義たちは、そのどちらにも当てはまらない曖昧な立ち位置を浮遊しているままなのである。

 もちろん日下部が正義を“捕まえる”までに至らないのは、そこにまだ彼を悪とするだけの確証が得られていないからであり、同時に澤本という“見逃す”者が近くに存在するからである。この澤本が(その動機の歪さはさておき)ようやく刑事の本分に則った行動に乗りだすとなれば、正義はいよいよ窮地に立たされることになり、混沌としている善悪は一つの方向へと正常化されていくことになるだろう。ところで、家で襲われたらしい大村は、本当にあの3人の仕業なのだろうか?

■放送情報
土ドラ10『街並み照らすヤツら』
日本テレビ系にて、毎週土曜22:00〜放送
出演 : 森本慎太郎(SixTONES)、月島琉衣、浜野謙太、吉川愛、曽田陵介、萩原護、宇野祥平、皆川猿時、森川葵、船越英一郎
脚本:高田亮、清水匡
音楽:大野宏明
監督:前田弘二、鯨岡弘識、中里洋一
プロデューサー:藤森真実、榊原真由子、宇田川寧、妙円園洋輝
チーフプロデューサー:田中宏史
制作協力:ダブ
製作著作:日本テレビ
©日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/machinami-ntv/
公式X(旧Twitter):@machinami_ntv
公式Instagram:@machinami_ntv

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「国内ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる