『それパク』芳根京子が考えるパクリとパロディの違い 重岡大毅が落合製菓に出した折衷案
芳根京子が主演を務めるドラマ『それってパクリじゃないですか?』(日本テレビ系)は、1話ごとに本作の大きなテーマである「知的財産」についての知識を楽しく深めていくことができるドラマだ。
「パクリとパロディの違いとは?」。北脇(重岡大毅)は亜季(芳根京子)に問いかける。答えられそうで意外と難しいこの問題。月夜野ドリンク新設の知財部に異動となった亜季と一緒に、我々はパクリとパロディの違いを考えていくこととなる。
亜季が一晩考えて出した答えは、そこに愛があるか、ないか。パロディにはオリジナルへの尊敬があって、それをちゃんと踏まえた上で工夫が足されており、別の新しい面白さが生まれる。「悪気のないパロディ」であれば亜季は許されるべきではという結論に至るが、これは少し視点が違う。
劇中では月夜野の看板商品「緑のお茶屋さん」と名前もロゴのデザインも類似しているチョコレート「緑のおチアイさん」が売られていることが発覚する。北脇と亜季は商標権の侵害を訴え、使用差し止め、損害賠償の請求を販売元の落合製菓に通告。悪気はなく、地元の子供たちの憩いの場になっている落合製菓に、亜季は心が揺れる場面もあったが、一つだけ足りなかったこととして「思い」に対する配慮を怠ったと伝える。
一つの商品を世に出すためには、莫大なお金と時間、人が使われている。「緑のお茶屋さん」の生みの親である開発部の高梨(常盤貴子)は、「商標とはそうやって長い間、コツコツと積み上げてきた我々の努力を証明するもの。信頼の証なのかもしれませんね」とつぶやくが、その開発者の汗と涙の結晶である「緑のお茶屋さん」を、落合製菓は安易にパロディに使った。悪意の有無ではなく、配慮の有無を怠ったのだと北脇は落合製菓に伝えるが、月夜野としても相手を訴えるのに少々リスクを伴う。落合製菓が町の文化や歴史の保護者として企業イメージがいいからだ。下手をすれば月夜野が市民からの反感を買うことになる。