FANTASTICS 世界×佐藤大樹が考える“リーダーの役割" メンバーとの“絆”を感じる瞬間は?
11月25日より公開中の映画『劇場版 転生したらスライムだった件 紅蓮の絆編』に、FANTASTICS from EXILE TRIBE(以下、FANTASTICS)の世界が声優として出演する。
『転生したらスライムだった件』(以下、転スラ)の主人公・リムル=テンペストは異世界に転生した後、無類の強さと優れたリーダーシップを発揮して仲間たちを統率し、テンペストという笑顔に溢れた王国を作りあげる。本作では、リムルの部下・ベニマルの兄貴分だったヒイロとの出会い、そしてヒイロが仕える女王と国を守るため、リムルとヒイロたちが手を合わせて奮闘する姿が描かれる。
そこで、本作のタイトルにもある「絆」にちなみ、『転スラ』シリーズの大ファンで、今回ヒイロの部下フジ役の声を担当した世界と、世界がリーダーを務めるFANTASTICSの同じくリーダーである佐藤大樹にインタビュー。2人は本作をどのように観たのか。そしてそれぞれが考える「リーダーが果たすべき役割」とは。声優としての演技の話から、グループの話までを聞いた。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】
世界「キャラクターに命を吹き込む感覚があった」
ーー世界さんは『転スラ』とは、いつ出会いましたか?
世界:『転スラ』との出会いはアニメの第1期を観たのが一番最初で、すごく面白い作品だと思いました。異世界転生もののパイオニア的な存在で、僕らの世代もそうだし、キッズ世代のみんなも多分好きだろうなっていうのが第一印象としてありました。
ーー佐藤さんは原作やテレビアニメを全く観られていないと聞いていますが、劇場版をご覧になっていかがでしたか?
佐藤大樹(以下、佐藤):一人一人のキャラクターの個性が立っているのでストーリーもすんなりと理解できました。劇場版が初めての『転スラ』という人にとっても、わかりやすくて楽しめる作品だと思いました。
ーー観ていて気に入ったキャラはいますか?
佐藤:ディアブロですね。途中から出てきますが、すごく目を引きました。喋り方やビジュアルとか、キャラクターが確立されていて面白いなって思いました。この子がどういうキャラクターなのかは全然知らないんですけど。
世界:ディアブロをこの子って言う人は初めてだよ(笑)。
佐藤:あと、ミリムという子で合っています? このキャラクターも好きだなと思いました。
世界:ミリムが好きなの!?
佐藤:見た目がかわいいじゃないですか。「ミリムかわいい、ディアブロかわいい」ってメモしてました(笑)。
世界:どちらかというと悪魔側が好きなのかな?
佐藤:そうかもしれないです(笑)。あと今回で言うと、やっぱラキュアが目立っていて、ラキュアとヒイロの対峙するシーンがすごく好きでした。個人的に、2.5次元の舞台だとあのシーンは映えそうだなと思いました。
ーー確かに舞台映えするシーンでしたね。世界さんの好きなキャラクターも教えてください。
世界:僕はシュナと、シオンと、ミリムですね!
佐藤:かわいい系の女の子全員じゃないですか!(笑)
ーー念のため、理由を聞いてもいいですか?
世界:かわいいからです。
一同:(笑)
世界:シオンさんなんて、言わずもがなですよね。喋ったら声もかわいいし、いつもリムルをかわいがっていて。
佐藤:このキャラクター、すごく人気ありそうですね。
世界:年上キャラで、男女問わず人気が高いキャラクターだね。
ーー今回の劇場版ではヒイロという新しいキャラクターが登場します。お二人はどういうキャラクターだと感じましたか?
世界:とにかく真っ直ぐですよね。トワ様のことを一途に考えていて、情熱もあるし、同時に繊細さも兼ね備えているキャラクターだと思いました。そういったヒイロの特徴が声を通して伝わってきたので、声を担当された内田雄馬さんの演技力にも感心していました。
佐藤:僕は、ヒイロはピュアな性格で、“人のことを思える”キャラクターなんだろうなと思いました。例えば、僕が「どのキャラクターでも演じていいですよ」と言われたら、演じてみたいと思うキャラクターでした。いい意味でアニメ寄りではないというか、人間界にもこういう人っているな、と感じました。
ーーリアリティがあるんですかね?
佐藤:ありますね。だから共感できる部分もあったのかもしれないです。
世界:お前は純粋じゃないだろ(笑)。
佐藤:確かに、10代の頃は確実に純粋だったんですけど、最近は「純粋さがなくなった」とメンバーからよく言われます(笑)。
ーー先ほどお芝居のお話しも出ましたが、本編で印象に残ったシーンはありますか?
佐藤:僕はやっぱりベニマルとヒイロの戦闘シーンですね。あのシーンをずっと観ていたかったです。熱のぶつかり合いと言いますか、舞台で言えばたくさん公演をおこなって、千秋楽の何も考えずにおこなったときのお芝居みたいな感じがするんですよ。映像からそういうのが伝わってきて、すごく良かったです。
世界:僕はヒイロの序盤の戦闘シーンですね。その時点でヒイロのキャラクター性が見えてくるのがすごく印象に残っています。時間にして2分程度ではあるのですが、一気に物語に魅了されました。
ーー世界さんは本作が声優初挑戦となります。一方で、佐藤さんはこれまでに声の演技をされていますが、実写作品や舞台などでの演技と比べると、声の演技ではどこに違いを感じますか?
佐藤:例えば、台本上では「…」となっているシーンは、映像であれば目や表情、顔の動きで成立するんですけど、声の演技ではそれだと表現できません。なので、声優を担当したときに一番難しかったのが「…」のレパートリーでした。声にするなら「うっ」とか「あっ」というような息遣いのレパートリーを、音響監督さんには「1人、25個ぐらい持っていた方がいいかもね」と言われて。「難しい!」と思いました。でも、そこでいかに個性を出すか、またレパートリーが多いかどうかが、声優として長く活躍されている方の強みの一つだと言われて、なるほどと思いました。
ーー息遣いの表現力まで求められるんですね。
佐藤:正直、ドラマなどの映像作品だったら「…」のレパートリーには自信がありました。でも、声の演技のときには何もなくて、「やばい! さっきと同じじゃん!」みたいなことばかりで。セリフがあるところは何回もテイクを重ねさえすれば自分のものにできましたが、「…」の表現だけは最後まで苦労していました。本番の前に練習期間を1日設けてもらって、音響監督さんにいろいろ鍛えてもらいましたが、それでも大変でしたね。
ーー世界さんは今回声の演技に初挑戦されて、率直に何を感じましたか?
世界:すごく楽しかったです。やればやるほど「もっとやりたいな」という感情が出てくるのは当たり前ですが、それ以上に声で演技をすることそのものが好きだと感じました。やってみないとわからないことってたくさんあると思うのですが、声優はそれが特に多い職業だと思うので。監督さんとのやり取りだったり、絵を見ながら声を合わせることだったり、自分自身がアニメのキャラクターに命を吹き込む感覚がありました。そうして作品の世界に入り込めることが、とても楽しかったです。
ーー確かに声優はやってみないとわからないことが多い印象です。おそらくアフレコ現場でスタッフの方々と様々なやりとりをされたと思うのですが、何か印象に残っているエピソードはありますか?
世界:音響監督の明田川仁さんは僕も以前から存じ上げていましたし、明田川さんにまつわる様々な逸話やお話を聞いていたので、一緒にやり取りができることをすごく楽しみにしていました。実際には本番が始まる少し前に、前室で演技の内容について話をした上でアフレコに臨めました。
ーー実際のアフレコはどうでしたか?
世界:様々なアドバイスをいただいたり、何度も直しがあったりしました。ただ、変な意味ではないのですが「遠慮をされたら嫌だな」という意識が自分の中にもともとありました。建前上はゲストの枠にはなるのですが、そういう枠ありきで演技をするのは、僕は好きではないので、ダメだったらダメとバシバシ言ってもらいたいと思っていました。僕自身も『転スラ』のファンだからこそ、『転スラ』の世界に失礼のないように、この作品の世界観にちゃんと馴染めるように努力しようと思っていて、そうした気持ちを明田川さんが受け取ってくださったのかなと感じています。