『転生したらスライムだった件』第2期も好調 異色な主人公・リムルの魅力に迫る
TVアニメ『転生したらスライムだった件』(TOKYO MXほか/以下、『転スラ』)の第2期第2部が、7月6日から放送スタートした。
TVアニメ第1期が2018年10月から2019年3月、第2期の第1部が2020年の1から3月、スピンオフ4コママンガが原作となった『転スラ日記 転生したらスライムだった件』もTVアニメが2020年4から6月に放送されている。ここ数年における「なろう」系作品の興隆のなかにあっても、それをリードする作品だと言っていいだろう。
小説投稿サイト『小説になろう』において、ファンタジーな世界に生まれ変わる「異世界転生」やファンタジーな世界に転移する「異世界転移」作品が多く発表され、サイト内にで個別ランキングが生まれるほどに人気を博したことを端に発し、本サイトを出自とする小説や特に作品数の多い異世界ものの作品に対して「なろう系」と呼ぶ流れが生まれた。
おおよそ、2016年以降にTVアニメ化した『Re:ゼロから始める異世界生活』『この素晴らしい世界に祝福を!』『幼女戦記』『オーバーロード』『盾の勇者の成り上がり』といった『小説になろう』出身作品が話題を読んだことから、この流れはよりつよく定着するようになった。
「転スラ」も『小説になろう』に出自をもつ作品で、2014年にWeb上の本編を大幅に加筆・修正を加えた商業小説版を発表し、数年のスパンの後にアニメ化へと至っている。
主人公のリムル・テンペストは、三上悟として現代社会で生きているサラリーマンだったが、通り魔に刺されて死亡し、異世界に転生してスライムとなる。強大な竜との出会い、ゴブリンやドワーフなどさまざまな種族と仲間になり、リムルはジュラ・テンペスト連邦国を建国。「人間と魔物が共に歩ける、種族問わず楽しく過ごせる国」という理想を形にすべく、争いと平和が混ざり合った日々を送るという内容だ。
本作で特徴的なのは、ファンシーなビジュアルとテンポよく会話と物語が進んでいく流れ、加えて「異世界転生」モノにありがちな血なまぐさいムードを避けつつ、どこか明るくもポジティブなムードがあるという点であろう。それは外伝4コマ作品がリムルを中心にした日常モノ作品というのがあるように、作品群を通して「幸福なシチュエーション」を描こうということが念頭にあるかのようだ。