『舞いあがれ!』の舞台・五島列島はどんなところ? 映画のロケ地でおなじみの美しい景観

『舞いあがれ!』五島列島はどんなところ?

 10月3日より放送がスタートしたNHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』。第1週では、度々熱を出す舞(浅田芭路)の病状に、めぐみ(永作博美)と浩太(高橋克典)は医師から環境を変えることを勧められる。そして、めぐみは、結婚以来帰ることのなかった故郷の長崎・五島へ、舞を連れていくことを決意する。

 九州最西端にある五島列島とは、長崎県の西に浮かぶ大小約150の島々のこと。雄大な景観で、コバルトブルーの海と白い砂浜が美しく、浜辺など手つかずの自然がたくさん残る五島へは、長崎から飛行機で約30分、ジェットホイルで約1時間30分。年間平均気温は17度と温暖で、1年を通して過ごしやすく、釣りやマリンスポーツを楽しむことができる。黒潮が流れる五島の海は豊富な魚が釣れ、磯釣りや船釣りだけではなく、手軽な堤防釣り体験も堪能できる。おいしい海の幸や、のど越しの良さが抜群の「五島うどん」、幻の和牛「五島牛」など、島グルメに舌鼓を打ち、元気をもらえること請け合いだ。

 五島列島を構成する島の一つである福江島には、潜伏キリシタンの歴史が息づく教会堂が点在し、久賀島と奈留島には世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の「久賀島の集落」と「奈留島の江上集落」がある。島内の石を集めて作られたルルド洞窟や手書きのステンドグラスなどから、限られた財源と技術の中で工夫を重ねた信徒の思いを感じることができる。

 また、遣唐使時代、日本で最後の寄港地となったのは福江島で、遣唐使たちが唐へと命がけで海を渡った歴史を学ぶこともできる。島内には遣唐使や空海ゆかりの地が点在し、壱岐・対馬と共に「国境の島 壱岐・対馬・五島~古代からの架け橋~」として、三井楽、明星院本堂、白石のともづな石が日本遺産に認定されている。五島列島は、自然と歴史が詰まった魅力あふれる島々なのだ。

 『舞いあがれ!』では、ヒロイン・舞は、五島列島の広い空に風を受けて力強く舞いあがる「ばらもん凧」に魅入られる。「ばらもん」とは「ばらかもん」とも言われる五島地方の方言で「元気者」という意味があると言われている。福江島で古くから作り伝えられてきた凧で、全体の上部に鬼、中段部に武者兜の後ろ姿、下段部に嵐の中の渦がデザインされている。嵐の中、鬼が真正面から兜をくわえたままでも前へ進み続ける、敵に後ろ姿を見せぬ勇猛な武者を表現しているそうだ。ばらもん凧の特徴として、絵柄の中にクルスの形があり、隠れキリシタンの島、あるいは八幡船の基地としてなど、歴史を持つ五島ゆえの特徴も感じられる。男の子の初節句(旧3月3日)に、我が子を思う親や祖父が作り、天高く揚げながら、凧の上部に付けられた「うなり」で独特の唸声を出し、子供の厄払いや、成長・立身出世・家内安全を祈願するという。

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