『進撃の巨人』示唆されたアニの復活 戦闘シーンは制作が変わっても不変のクオリティ

 エレン・イェーガーの手によって「地ならし」が発動し、壁の中に埋まっていた巨人が一斉に世界へと解き放たれた。TVアニメ『進撃の巨人 The Final Season Part 2』の第81話「氷解」では、地ならしに直面した人々が自分の信念のもと行動していく模様が描かれた。

進撃の巨人

 世界の殲滅すらも容易に可能にしてしまえるほどの強大な力を持つ地ならし。それは大量殺戮兵器と呼ぶに相応しい。しかし、それは長い間他国に対して抑止力として機能しており、そのおかげでこれまでパラディ島は侵害されずに平穏な暮らしを享受できたのだ。抑止力として十分な効力を持っているはずだったが、エレンはエルディア人以外の人間を滅ぼすというという大義名分を掲げ実行に移してしまった。もはや発動してしまった以上、誰にも止めることはできない。

 そんな最中、顎の巨人を継承したファルコ・グライスを捉えたジャン・キルシュタインとコニー・スプリンガーら調査兵団の一行は、ファルコの扱いを巡って対立。ラガコ村の母親に食べさせることを願うコニーは、新たな争いの火種を生むことを拒むアルミン・アルレルトと激しく言い争う。個人的な感情を優先するコニーに対して、この状況下でも落ち着いた視点を持ったアルミンの冷静さには脱帽だ。

 壁内(もはや壁内とは言えないが)では、無垢の巨人が暴走し、人を捕食する混沌とした状態。これはThe Final Season以前の1期〜2期を思わせる。その頃、無垢の巨人から逃げ惑っていたカヤは階段から落下してしまい捕食されようとしていた。絶体絶命かと思われた状況を救ったのはガビ。そこでカヤはガビの背中に命の恩人であるサシャ・ブラウスの姿を見るのだった。

 カヤにとってガビはサシャを殺した憎き相手。だが、パラディ島の兵士にマーレから侵入してきた子供(ガビ)の存在を問われたときに、カヤは「私達は厩舎で一緒に暮らす家族です」とガビを庇う。タイトルの「氷解」とは壁の中にいる巨人が一斉に進行するそのさまを表しているだけではなく、もうひとつの意味としてカヤとガビの心のわだかまりが解けていくという意味も込められているのではないだろうか。カヤは命を助けられたことによってガビが自分たちと同じ境遇であることを知るのだった。

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