『鬼滅の刃』遊郭編、海外ファンの反応は? 圧倒的な作画への賞賛とキャラクター描写に言及

 海外でも人気の高いテレビアニメ『鬼滅の刃』、その「遊郭編」がついに最終回を迎える。2月6日放送の第10話はその圧倒的な作画が話題を呼び、SNSでもトレンド入りしたほど。一方、海外でも同じように評判が高かった。

鬼滅の刃公式サイト
『鬼滅の刃』公式サイトより

 日本では『鬼滅の刃』といえば、劇場版『鬼滅の刃』無限列車編が日本歴代興行収入ランクで1位を獲得したほど国民的な作品として親しまれている。日本国内では約404.3億円、海外では2020年10月以降、2021年にかけて順次各国で公開され累計約570億円を記録した。海外的にとても人気の高い、同じ『週刊少年ジャンプ』(集英社)の作品『僕のヒーローアカデミア』の最新映画『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ワールド ヒーローズ ミッション』が世界累計約53億7800万を記録したことと比べても圧倒的な数字である。特に、北米では2021年に4月23日から公開が開始され、その後館数は伸び、1999年に公開された『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』が樹立した以来の「日本の作品が全米興行収入で一位を獲得した」という成績を収める。

 そんな中、やはり注目を浴びたのがその劇場版の直接的な続編となる「遊郭編」だ。海外では「Entertainment District Arc」または「Red-light District Arc」として親しまれている。舞台は無限列車編での出来事から4カ月後、蝶屋敷で鍛錬を積んでいた竈門炭治郎と我妻善逸、嘴平伊之助の前に音柱・宇髄天元が現れ、ともに遊郭に潜入する。事前に潜入捜査をしていた宇髄の3人の嫁の消息をつかみ、救出するために女装をして行方を掴もうとする炭治郎たちだったが、彼らの前に現れたのは上限の鬼・堕姫だった。

 「立志編」や「無限列車編」に比べ、アニメの放送が深夜枠に移動した本章。遊郭というテーマを扱ったり、これまでに比べてさらに強いゴア描写があったりと、より大人向けに作られているような印象が強いが海外ファンはどのように捉えたのか。YouTubeの人気リアクターや、海外メディアの記者の意見などを元に探っていきたいと思う。

「神作画」「劇場版と同じ、いやそれ以上の出来栄え」

 やはり、「遊郭編」で最も多く目立つ意見は、その作画のクオリティに言及されたものである。特に第6話以降、堕姫との攻防が本格的になってきた頃合いからのアクションシーンはかなり高く評価されており、堕姫の放つ帯のCGモーションやカメラアングルに驚くファンが多かった。

 さらにストーリー進行にも予想外の展開が散りばめられていたことがファンを何度も驚かせてきた。例えば遊郭のおかみが江戸時代にいたといわれている鬼を回想するシーンで、花魁に正体を聞いた遊女が消える演出、善逸がエンディング後のシーンで突如帯に襲われるシーン、そして堕姫が街を破壊し、実際に多くの人間が殺されその様子がしっかり映されたことなどが挙げられる。宇髄の腕が切り落とされたり、伊之助が心臓を刺されたりと意表を突く展開にYouTube上のリアクターたちは毎度ショックを受けていた。最大のショックは堕姫から兄・妓夫太郎の登場シーンでもあるが、その強さに為す術もないメインキャラクターたちが打ちのめされていく様子を苦しそうに見守る。

 そして、第9話、第10話と回を重ねるごとに磨きがかかっていくアニメーションに「作画がやばい」と誰もが興奮した。これまでも多くのアニメをウォッチしてきたことで造詣の深い、チャンネル登録者数57.4万人の人気リアクターグループYaBoyRoshiは第10話を「今までの『鬼滅の刃』で一番の出来の回だった。正直、劇場版を含めて。映画レベルのものだ」「炭治郎が顎を刺されるなど、そういった残酷な描写を臆することなく見せたことで、これまでより一層鬼殺隊という仕事の危険性を理解できる演出になっている」と評価した。

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