大泉洋にぴったりとしか言えない『鎌倉殿の13人』の源頼朝　今後は“闇の姿”にも期待

　大河ドラマで、源頼朝が主人公となったのは、『草燃える』のみ。しかも、『草燃える』では、物語後半の主人公が北条政子（岩下志麻）だった。頼朝の異母弟である源義経は『源義経』『義経』など、名前がタイトルになるほど人気があるのに、頼朝は歴史の偉人でありながらもドラマの主人公にはあまり選ばれてこなかった人物なのだ。

　脚本家である三谷幸喜は自身でも当て書きで物語を作っていくことを公言しており、頼朝というミステリアスで謎の多い人物を面白く、深く演じてくれることを前提として大泉洋の今までにない魅力を引き出しているようにも思える。

　頼朝の抱える闇や孤独、冷酷な部分と女性の心をつかんで離さない色気や気高さ、相手によって全く違う表情を見せる多面的な魅力が周囲に及ぼす大きな影響は今後も注目したいところ。史実どおりに物語が進むと頼朝の印象がどう変わるのか、残酷なシーンはどう演じられるのか、怖いものみたさという楽しみも加わりそうだ。

■放送情報
『鎌倉殿の13人』
NHK総合にて、毎週日曜20:00～放送
BSプレミアム、BS4Kにて、毎週日曜18:00～放送
主演：小栗旬
脚本：三谷幸喜
制作統括：清水拓哉、尾崎裕和
演出：吉田照幸、末永創、保坂慶太、安藤大佑
プロデューサー：長谷知記、大越大士、吉岡和彦、川口俊介
写真提供＝NHK