【漫画】食パンくわえた女子高生が「九龍城砦」でダッシュ!? キャラと背景のギャップが楽しい『九龍通学路』

起床し時計を確認した瞬間、遅刻を悟り慌てて準備をする女子高生。慌てて飛び出し登校するが、そこはかつて香港に存在したスラム街「九龍城砦」を彷彿とさせる建造物の中で……。
慌てる女子高生と重厚な背景のギャップに引き込まれる、漫画『九龍通学路』がXにアップされた。今回は作者である指宿(@ibsukionsen)氏に、創作の背景やこだわりについて話を聞く。(青木圭介)
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ーー本作を描いた経緯を教えてください。
指宿:元々、九龍城砦に興味があったんです。写真集とか実際に住んでいた方のお話をしている記事なんかを見て、描きたい気持ちは前からありました。いざ描こうと思ったときに、不思議なミスマッチ感を出したかったんです。そこで一番メリハリが出るかなと思った要素が、「日本の制服を着た女子高生」でした。九龍城砦をモデルにした場所で、女子高生の日常を描いたら、コントラストが出て魅力的になるかなと思ったんです。
ーー日本の女子高生と重厚な背景にコントラストを生むうえで、特に意識したことはありますか?
指宿:九龍城砦はスラムなので、本当は人がたくさんいる場所でした。なので本作の背景にも、最初は人をたくさん描こうと思っていたんです。でも女子高生とのコントラストを出すために、あえて人を描くことをやめて、ごちゃっとした建物の風景を細かく描くことにしました。一般的にあまり綺麗とは言われないようなスラムの部分を、細部まで描き込みたかったんです。
ーー作品を通してセリフが無いのも印象的でした。
指宿:これまで一枚絵は多く描いていたんですけど、実は漫画を描いたのは本作が初めてで。初めて描くので、セリフが無くても内容がわかるくらい、本当に単純なストーリーにしようと思ったんです。それこそ、日本語がわからない海外の方でも楽しめるくらい、簡単な物語になるよう心がけました。
ーー本作のなかで、指宿氏自身が気に入っているシーンを教えてください。
指宿:本作は1ページ目ではなく途中の、主人公が高所で電線の上を渡っているページから描き始めました。「九龍城砦にて遅刻しそうで焦っている女子高生」というテーマで、最初は一枚絵としてこのページを描いたのですが、出来上がった瞬間にその前後のストーリーもすべて決まった感じでした。なので思い入れがあり、好きなシーンです。
ーー本作も非常に背景が描き込まれていましたし、Xのプロフィールには「風景を描く人」という記載もありました。指宿氏が風景にこだわるようになった理由は?
指宿:絵を描くようになったのは大人になってからで、きっかけはSNSで風景を描いているイラストを見たことでした。「風景や背景を描けるのカッコいい!」と思って、自分でも練習を始めたんです。元々絵を描いていて背景を描くのに凝りだしたというより、最初から風景や背景を描きたいと思って始めた形でした。
ーー風景をこだわって描かれるなかで、大変なことはありますか?
指宿:それが描き込むのが本当に楽しくて、正直辛さや大変さはないんですよね。ずっと描いていたいと思いますし、紙を埋めたいという欲があって(笑)。あまり集中して描いているわけではなく、ながら作業で進めているのも、大変に感じない理由かもしれません。気持ち的には楽しいんですけど、腰が痛いとか腕が痛いとか、肉体的には辛い部分もありますね。
ーー最後に、今後はどのような漫画を描きたいですか?
指宿:今は「本」を描くのが楽しくて、たくさん本を描きたいなと思っています。大きな本棚が出てくる一枚絵とかも描いてXに投稿しているんですけど、その絵も次の漫画に出したいです。めちゃくちゃ本が積み重なった本棚がある、古本屋に行くみたいな漫画が描きたいですね。漫画は一枚絵と違う技術が必要で、学びながら描くのが楽しいので、今後も描いていきたいと思っています。「本をたくさん描きたい」みたいに、そのとき一番描きたいモノを描き続けられたら嬉しいです。























