ウェブトゥーンを“展示”で見るとどうなのか? 新宿で開催中「K-WEBTOON展 縦に読む物語」レポ

ウェブトゥーンを“展示”で見ると?

 アイドル、フード、ファッションと、韓国からさまざまなトレンドが日本に流れてきたが、いま注目を集めているのは“韓国の漫画”だ。「K-WEBTOON展 縦に読む物語」では、韓国発のデジタル縦読み漫画WEBTOON(ウェブトゥーン)の世界を体感できる展示が、1月30日(金)から2月28日(土)まで新宿の駐日韓国文化院ギャラリーMIにて開催されている。


 今回の展示では、日本でも高い人気を誇る『ユミの細胞たち』『地獄』『デビューできないと死ぬ病気にかかってしまいました』の3作品をメインに紹介。日本の読者から支持の厚い「ロマンスファンタジー」ジャンルに特化したブースも設けられ、ウェブトゥーンの多彩な魅力を幅広く楽しめる構成となっている。


 会場入口の壁一面には、「WORLD WEBTOON AWARD」2025年の受賞作品のポスターが並ぶ。『ミレの骨董品店』や、実写映画が韓国・台湾・シンガポールなどアジア圏で大ヒットし、日本での劇場公開も3月20日に控えている話題作『全知的な読者の視点から』、そして本展のメイン展示作品でもある『デビューできないと死ぬ病気にかかってしまいました』など、受賞・ノミネート作品が一堂に集結。ポスターは一枚ずつ来場者が剥がして持ち帰れる仕様になっており、「配布がなくなる前に来た」というファンの声も聞かれた。推し作品のビジュアルを手にできる、ファンにとってはたまらない演出だ。


 ずらりと並んだポスターの奥には、大きな『ユミの細胞たち』の描き下ろし看板が設置されている。その看板に導かれるように進むと、作中に登場するユミの部屋が再現された空間が。ベッドの後ろに映し出されているのは、漫画が完成するまでの制作工程を追った映像。著者movin' Gunのキュートなイラストが、どのようなプロセスを経て生まれているのかを知ることができ、作品の裏側を覗いているような感覚になる。机の上には、その場で写真を撮影し、モノクロでプリントアウトできるコーナーや塗り絵体験も用意されている。さらに、派生作品の絵本なども展示されており、『ユミの細胞たち』の世界を存分に味わえるエリアとなっている。

『ユミの細胞たち』ブース 机の上から本棚の小物まで細かく凝られている


 その先に広がるのは、Netflixシリーズ「地獄が呼んでいる」の原作としても知られる『地獄』のブース。映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』の監督を務めたヨン・サンホが原作を手がけ、人気作家のチェ・ギュソクが作画を担当した話題作だ。ブース中央には、赤い直方体が9本並び、その上部にはワンシーンが完成するまでの制作過程が描かれている。壁面には、作中で地獄の使者が告げる印象的な宣告──「お前は5日後の15時に、地獄に落ちる。」の文字もレイアウトされ、その周囲には“もし各国に地獄の使者が現れたら”という想定で描かれたイラストが並ぶ。1月30日にはトークイベントも開催され、壁には登壇したチェ・ギュソクのサインがそのまま残されている。


 さらにその奥には、『デビューできないと死ぬ病気にかかってしまいました』の展示エリアが続く。オーディション番組を舞台にした本作は、登場人物それぞれのキャラクター性の強さが魅力で、実在のアイドルさながらに“推し”を持つ読者も多いという。キャラクターイラストが壁から垂れ下がるように配置された空間では、作品のグッズを持参し、展示と一緒に写真を撮るファンの姿も見られた。


 展示の最後に広がるのは、「ロマンスファンタジー」のブース。鏡張りの展示スペースには、『あなた!私、ストライキします』と『お父さん、私この結婚イヤです!』の2作品が並び、作品のイラストとともに自分自身も映り込む構造になっている。まるで物語の世界に入り込んだかのような写真が撮影できる、フォトスポットとしても人気のエリアだ。その奥には小部屋の展示空間が続き、『悪党一家を更生させたら』と『この結婚はどうせうまくいかない』の世界が広がる。4作品それぞれのビジュアルがふんだんに用いられ、「ロマンスファンタジー」というジャンルの魅力を余すことなく堪能できる。

壁ではなく空間が映えるブースに


 会場には好きな作品の缶バッジを無料で制作できる体験コーナーも用意されており、来場者が“推し”を形にして持ち帰れる嬉しい仕掛けも。施設担当者の韓国コンテンツ振興院 東京ビジネスセンターの田智薫(ジョン・ジフン)氏は、ウェブトゥーンが日本で広まった理由について、「日本の漫画とは違い、縦読みでフルカラーの作品が多く、スピード感を失わずに読めること。そして電車などで“ながら読み”しやすい点が大きいのでは」と分析。


 また、「日韓だけで見ると、以前はK-POPやドラマの影響力が大きかったですが、現在はウェブトゥーン原作のドラマも増えています。“推しが出ているドラマを観たらウェブトゥーン原作だった”という方や、その逆の流れで作品にハマる方も増えました」と現在の潮流についても教えてくれた。


 スピード感と没入感を武器にするウェブトゥーンは、情報過多な現代にぴたりと寄り添うコンテンツと言える。本展は、その進化と可能性を体感できる貴重な場となっている。


■開催情報
「K-WEBTOON展 縦に読む物語」
日時:2026年1月30日(金) ~ 2月28日(土) 10:00 ~17:00 ※日曜祝日は休館
会場:駐日韓国文化院 ギャラリーMI
〒160-0004
東京都新宿区四谷 4-4-10 1F
■入場料無料
※展示会は期間中、事前お申込み不要でどなたでもご来場いただけます。

〈展示会解説ツアー〉
解説ツアー開催概要
開催日:2月6日・13日・18日・20日・25日・27日
時間:各日15:00~
参加費無料
※開始時間に合わせて展示会場へお越しください

公式HP:https://www.koreanculture.jp/info_news_view.php?number=8307&cate=4

関連記事

リアルサウンド厳選記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「イベント」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる