早く描けないと漫画家にはなれないのか? 「めちゃコン」公式がQ&Aで作家からの質問に回答

電子コミック配信サービス「めちゃコミック」が開催する漫画オーディション「めちゃコン」。元「週刊少年ジャンプ」編集長・鳥嶋和彦氏、「裏サンデー」「マンガワン」初代編集長・石橋和章氏、株式会社コルク代表の佐渡島庸平氏を審査員に迎えた大規模な漫画賞として注目を集めている。
2025年10月より作品の募集が開始され、2026年1月13日に募集が終了する本漫画賞。公式X(@mechacon_comic)ではクリエイターから寄せられた様々な質問に対して、編集部が丁寧に回答している。本稿では寄せられた質問や編集部の回答を一部紹介したい。
執筆速度を高めるためのヒント、作家としての選択肢
編集部に寄せられた質問を見ると、本漫画賞の募集条件に関する問い合わせが多く寄せられているが、漫画制作の悩みに関するものも寄せられている。編集部に寄せられた「出来上がった漫画は考える所から32ページで10ヶ月ほどかかりました。(中略)元漫画家さんの動画で『早く描けないのは話にならない、無理』と話されていたのを視聴して以来ずっと私には漫画家は無理なのかと考えてしまいます」「でも漫画家になりたい気持ちは強いです。なんとか早く描けるように考え工夫し努力していきたいと思っています。この場合早く描ける様になった時にまた投稿して下さいとなるのでしょうか?」という質問は、漫画制作の大変さが伺えるものであろう。
編集部は「32ページを描き切ったこと自体、簡単にできることではなく、とても価値のあることだと思います。また、時間がかかっているからといって、『漫画家として無理』と判断されるものではありません」と返答。また執筆速度を高めるヒントとして、プロの工程を知るためのコンテンツ視聴や、AI作画補助ツールの動向に注目することを挙げた。
そのほか下描き、ペン入れが遅いと感じている相談者の個性に合わせ、ネーム(コマ割りなどを記した漫画の設計図)が早く描けるのであれば「ネーム作家」として分業型で活躍する道も提示している。
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📣質問ありがとうございます!回答いたします。
\ご応募ご検討ありがとうございます。作画に時間がかかることへのお悩み、よく伝わってきます。描き続けないと早くならないというジレンマもありますから、本当に葛藤なさっていると思います。… pic.twitter.com/pUIPMDjrHS
— めちゃコン - めちゃコミック漫画コンテスト - (@mechacon_comic) January 11, 2026
めちゃコン - めちゃコミック漫画コンテスト - X(@mechacon_comic)より
漫画を完成させるための具体的なアドバイス
執筆の速度とともに、作品を完成させるための持久力も必要とされる漫画制作。現に編集部には「設定や伏線を考えたら満足して途中で飽きて止めてしまいます。また、ネームを描いても自分で読み直したら面白くないな…と感じてすぐ投げてしまいます」という声も寄せられている。
「(漫画を)描こうとすると力が入って漫画が描けません。(中略)うまく力を抜くにはどうしたら良いでしょうか」という質問に対して、編集部は「描けないというスランプになっておられる作家さんはよくおられます。(中略)手段の1つと思って聞いてください」と前置きし、まず全体の設計図となるプロットをラストシーンまで書き起こすことの重要性を説いた。
その上で見開き単位で印象的なセリフや面白いシーンを書き出し、1日1シーンずつ、プラモデルを作るようにネームへ落とし込んでいく手法を提案。ネームを最後まで描き終えたあとには作品全体を調整するーー。
「いきなりとんでもないものをつくろうとしていると描けないし、全体像が見えないまま、いきなりネームを描き始めても路頭に迷います。ぜひコツコツと完成まで頑張ってみてください」という言葉で回答は締められた。
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📣質問ありがとうございます!回答いたします。
\描けないというスランプになっておられる作家さんはよくおられます。さまざまな理由があると思うので、一概に適切なアドバイスができるとは思えませんが、手段の1つと思って聞いてください。… pic.twitter.com/X5Awj7nnOX
— めちゃコン - めちゃコミック漫画コンテスト - (@mechacon_comic) January 8, 2026
めちゃコン - めちゃコミック漫画コンテスト - X(@mechacon_comic)より
編集部が求める「熱狂」の定義とは
漫画制作に関する悩みのほか「めちゃコン」のキャッチコピー「熱狂を生み出す漫画家に出会いたい」にある“熱狂”の解釈についても質問が寄せられた。バトル漫画やスポ根ものといった胸が熱くなる作品以外にも、キャラクターの日常を描いたほのぼのとする漫画も存在するなか、編集部は作品を「火種」に例えて解説している。
「最初はたった一つの作品です。作家さんが生み出した作品を、担当編集が、そして編集部が、これ面白い!と期待を持って思って世に発表されます。この段階では、作家さんと編集だけが知る『火種』です。
これが、世に出ると少しずつ口コミなりで、広がっていきます。『この漫画、めっちゃヤバい』と。徐々に火種は広がって、大きな火になります。気づけばこの作品を応援してくれるファンが、日本中に増えています。多くの読者が作品を囲んで盛り上がってくださっている状態。キャンプファイヤーみたいな感じでしょうか」
また「めちゃコン」で求められる作品についても「もちろん一部の人だけが面白い、という作品もあると思います。ただ今回は、最初は小さな火種かもしれないけれど、いずれは、より大衆に波及して、面白いと熱を持って語り合える。そんな可能性を目指したい作者さんを求めているコンテストです」と語られた。
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📣質問ありがとうございます!回答いたします。
\作品を「火種」に喩えます。最初はたった一つの作品です。作家さんが生み出した作品を、担当編集が、そして編集部が、これ面白い!と期待を持って思って世に発表されます。この段階では、作家さんと編集だけが知る「火種」です。… pic.twitter.com/L1n5KVL0VU
— めちゃコン - めちゃコミック漫画コンテスト - (@mechacon_comic) January 9, 2026
めちゃコン - めちゃコミック漫画コンテスト - X(@mechacon_comic)より
熱狂を生み出す「火種」のような作品を待ち望む「めちゃコン」。Xに投稿された回答は編集部の熱さ、漫画に対する真摯さを感じるものばかりであろう。300を超える応募作(13日15時時点)の中から生まれる新たな熱狂を楽しみに待ちたい。
























