『ONE PIECE』神の騎士団の強さの秘密は……? 一線を画す天竜人集団を考察
※本記事は『ONE PIECE』単行本未収録の話の内容に触れる部分があります。連載を未読の方はご注意ください。
バロックワークスやCP9、クロスギルドなど、魅力的な敵組織が多数登場する『ONE PIECE』。「週刊少年ジャンプ」に先日掲載されたエピソードでは、注目度急上昇の新たな敵組織が登場した。それが天竜人で構成された「神の騎士団」だ。
ロックス・D・ジーベックを中心に据えた過去編でも、天竜人の守護として海賊の前に立ちはだかった神の騎士団。天竜人らしくない風貌と強さを有する彼らは、一体どのような存在なのか。今回は神の騎士団について気になる点を、ワンピース研究家の神木健児氏に聞いた。
「神の騎士団の注目度は、佳境に迫っている『ONE PIECE』で少しずつアップしています。ゴッドバレー事件の全貌が描かれた過去編でも、一般人を見下す天竜人らしい姿や、天竜人を守るため海賊と戦う武人らしい姿が描かれました。普通の天竜人とは一線を画す存在で、CP9や百獣海賊団のような外見や能力の統一性はないように思えますが、シンプルに見た目が個性的で悪役らしい魅力がある組織ですよね」
神の騎士団には、ほかの天竜人とは明らかに異なる特徴がある。
「神の騎士団について最も気になっているのは、強さの理由です。神の騎士団は今わかっている段階では天竜人で構成されています。しかし彼らは、世界に名を轟かす大海賊に迷わず立ち向かっていくほどの実力を有しています。一方で、神の騎士団の一員である軍子は、ブルックとの関係性などから元々は天竜人ではない可能性が高い。エルバフの王子であるロキを勧誘していることからも、神の騎士団は必ずしも天竜人の血筋である必要はないのでしょう。しかしゴッドバレー事件で赤ん坊のシャムロックが神の騎士団に回収されたところをみると、天竜人として生まれ天竜人として育った神の騎士団メンバーが一定数いるのも間違いないと思います。
強さには、天竜人のなかでの血筋も関係ありそうですよね。尾田先生は一問一答の企画で、『シャンクスはロジャーの背中を見て神避を覚えた』とお話していました。シャンクス以外のロジャー海賊団のメンバーは、誰も真似できなかったそうです。このエピソードからも、ガーリングやシャムロックと同じ血筋であるシャンクスの、圧倒的な戦闘センスがわかりますよね。天竜人には、代々戦闘に特化した血筋が存在するのかもしれません。また同じ一問一答企画で、『ガーリングの強さには理由がある』ということも尾田先生は言っていました。血筋なのか不死能力に付随するような何かなのか。神の騎士団が強い理由の詳細がわかると、“対世界政府”の緊迫感がグッと高まると思います」
神の騎士団の注目メンバーに、エルバフにも降り立った天竜人の名前を神木氏は挙げた。
「ゴッドバレー事件を描く回想では、神の騎士団はあまり深掘りされませんでした。見習いの階級に当たる『神の従刃』という新しい組織の存在も明かされ、神の騎士団は今後も重要になるでしょう。そうなると現代の時間軸に戻った後に、ゴッドバレー事件で初登場したメンバーを含め、神の騎士団はどんどん出てくると思います。メイン級と思われる女性キャラクターなどもいて、神の騎士団にはまだまだ詳細が気になる人物がたくさんいます。
個人的に気になるのは、リュウリュウの実モデル“麒麟”の能力者であるキリンガム聖ですね。普通の天竜人は一般人と同じ空気を吸わないように、シャボンのマスクを被っています。対して、五老星や神の騎士団などのスタイリッシュなタイプの天竜人は、シャボンを被っていません。しかし、キリンガム聖だけは神の騎士団でありながらシャボン越しに呼吸をしているんですよね。自然ではない描写なので、おそらく意図的にキリンガム聖はシャボン姿で描かれているはず。もしかしたら一般人との間に何かがあった過去があるのかもしれません。
さらにキリンガム聖は「羽衣」を纏っていますが、113巻の表紙でもわかるように色がニカやヤマトのように白いんです。悪役の覚醒といえば今や黒い羽衣が多いのに、白いというのは気になりました。キリンガム聖だけでなく、ほかの神の騎士団にもそれぞれの物語がある可能性も。それぞれの生い立ちや強さや性格など、神の騎士団の詳細が明かされることを期待したいです」
天竜人らしく一般人を見下す言動が目立つ神の騎士団だが、悪役として強い魅力を放っているのも事実だ。世界政府の強力な矛である彼らが、ルフィの前に立ちはだかる高い壁になるのは間違いないだろう。























