譜久村聖「自分が夢中になれるものは音楽」モーニング娘。卒業からソロデビューで気づいた、小さな頃の夢

譜久村聖 写真集インタビュー

 「モーニング娘。」に2011年に加入し、2023年11月にグループを卒業した譜久村聖。今年4月にソロデビューを果たした彼女が、『瑠璃藍』と『Vers l'Aube』(ワニブックス)の2冊を10月30日に発売した。

 本書は、譜久村が初めて訪れたベトナムで「原点回帰~新しい旅のはじまり」をテーマに撮影された写真集。柔らかくおっとりとした雰囲気と大人の女性としてのシャープさの両面を表現した姿が捉えられている。

 今回のインタビューでは20代ラスト写真集となる本書の制作エピソードのほか、ソロアーティストとして活動を続けるなかでの「音楽への想い」、駆け抜けた20代を振り返ってもらった。

『Vers l'Aube』(ワニブックス)

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写真セレクトにも参加、こだわりの「2冊同時発売」

ーー今回の写真集は、ベトナムで撮影されたんですよね。

譜久村聖(以下、譜久村):実はロケ地のベトナムには、2回行かせていただいて。もともとは1回の予定だったのですが、1回目に訪れた日が台風が直撃して(笑)。結局、雨が止まなくて全然進まないから「濡れながら撮ろう!」ということになって、現地の市場で新しい服を買って、雨に降られながら撮影しました(笑)。そういうことも今までに経験したことがなかったので、挑みに行く気持ちで撮影できました。

ーーチャレンジングな撮影だったんですね。

譜久村:でも2回目は晴天で、「THE・ベトナム!」な感じも撮れました。でもそれが今となっては良かったというか、雨の日で撮影された写真の中に、良いカットがあったから2冊同時発売になったと思っていて。

 とにかく「良い!」と思われる写真を撮ろうと思っていたので、撮影中はずっと集中していました。そういう気持ちで臨んだものがそうやって評価していただけたことは、とても嬉しいです。

ーーいろんなバリエーションの写真が撮れたことで、2冊の写真集が発売されることになったんですね。

譜久村:そうですね。1冊目と2冊目では繋がっているところもあり、構成もこだわって作っていただきました。私も実際にできあがった写真集を読んだのですが、ページを1枚1枚めくるたびにワクワクしてます。写真のセレクトにも参加させていただいて、読む前から写真を見たことがある私でもワクワクしました。何も知らずに読んでいただける方の反応がとても楽しみです。

モーニング娘。を卒業後、ソロデビューした想い

ーー今年4月にソロアーティストとしてデビューされました。さまざまな選択肢がある中で、「音楽を続ける」という決断はとても重要なことだったんですね。

譜久村:そうですね。私は音楽を続けないと「自分がいる意味がない」と思っていて。自分が心から夢中になれるものが音楽だと思っていますし、「モーニング娘。」で培ってきた経験を「活かさないのはもったいない!」という気持ちがありました。もちろん音楽以外のことにも挑戦していきたい気持ちはありますが、活動の軸はこれからもずっと音楽に置いていたいですね。

ーーソロ活動をして、グループとの違いをどのように感じますか?

譜久村:自分が届けたいものをゼロの状態から考えたり、提案されたものをどうやって形にしていくかなど、考えることが本当にたくさんあって。大変なことも多いですが、その分すごく楽しいです。

 その一方で、スタッフの方から「譜久村はどんな歌を歌いたいの?」と聞かれると、これまでに深く考えたことがなかったので、戸惑いもあります。グループ時代は「『モーニング娘。』がどうあるか」を第一に考えていましたが、今は「自分がどうしたいか」を中心に考えなければいけない。それは自分にとって大きな課題ですね。

ーー「自分と真摯に向き合える」ということは、多くの人にとっては理想的な環境だと思います。

譜久村:そうですね。ただ、私はもともと自分のことより他人について考える方が好きでしたし、自分のためではなくてグループのことだから頑張れたタイプ。だけどソロ活動では「自分を出す」ことが求められる。それが私にとっては、とても難しいですね。

 そんな悩みもありつつも、いろんなアーティストの方々のライブを観させていただくたびに、ライブごとに「その人らしさ」を感じることができて、そのことに心を強く動かされるんです。だから私もソロだからこその「自分らしさ」を見つけたい。「モーニング娘。」のときとは、また違う一面を表現していけたらな、と思っています。

ーーラジオ番組『ミュージックライン』では、DJとしてアーティストやロックバンド、アイドルグループなど音楽に携わる方々をゲストに招いています。さまざまなミュージシャンと会話をすることで、気づいたことはありましたか?

譜久村:私は音楽用語や楽曲制作について知らないことも多かったのですが、番組でいろんなアーティストの方々とお話しすることで「そんなことを考えながら曲を作っているんだ!」と学ぶことが多くて。さまざまな音楽を知ることで色んなジャンルの音楽に聴くようになったのは大きな変化です。

 何より、そうやって音楽に携わる人たちのお話を聞けば聞くほど、改めてつんく♂さんの凄さを感じるようになって。「やっぱり私はハロプロの楽曲が好きだな」と気づけたことは、良い発見でした。

ーーこれまでの活動に改めて自信を持つことができたんですね。

譜久村:子どもの頃に「ハロプロで音楽をやりたい」と決断した、その直感は正しかったんだなと思えました。そのことが、なにより嬉しいです。

20代を振り返って「青春って何歳からでも取り戻せるんだな」

ーー本書は29歳の誕生日発売という節目の作品です。20代を振り返って、いかがですか?

譜久村:純粋に、“素直でいられたな”と思います。お仕事のことだけしか頭にないような、グループのことだけを考えて過ごしていた時間も本当に幸せでしたし、ファンの方からの愛情もたくさん感じることができました。

ーーグループに全力を注いだ時間が充実していたんですね。

譜久村:私はこれまでの人生の多くの時間を「モーニング娘。」一本で突き進んでいて。とにかく「モーニング娘。」のことだけを一番に考えて、全てをグループ活動に注いできました。

ーーグループ活動を優先して、我慢していたというか。

譜久村:「我慢している」というよりは「プライベートも大事にしたい」という気持ちが、当時はそこまで強く思っていなかったんだと思います。いわゆる“普通の女の子”が楽しんでいるようなことはしてこなかったんです。でも去年、「青春って何歳からでも取り戻せるんだな」と感じることがあって。

ーー何歳からでも取り戻せるとは?

譜久村:多くの人は大人になっても会うのは高校や大学の友人という方が多いと思うんですが、私の場合、プライベートで連絡を取っているのは小・中学校の同級生が多くて。

 昨年は、同級生とたくさんの時間を過ごすことができました。それまで頻繁に連絡を取っていたわけでもなかったのですが、久しぶりに会うと「活動、見てたよ」と伝えてくれたり、「小学生の頃から変わらないね、よかった」と言ってくれて。公園で一緒に遊んでいたような昔の私を知ってる友人たちから、そんなことを言ってもらえる自分でいられたことも嬉しいなと思えました。

 その子たちとは、海に行ったり、旅行したり、時々集まっては美味しいご飯を食べたり……。意味のない会話をしたり、ぼーっとしたりする時間を過ごすことで、何気ない時間がどこか私に欠けていたものを満たしていくような感覚がありました。そういう時間を過ごすことで「この先の人生も、このままでいいな」と思えた。そう思えるような、20代を過ごせた気がします。

▪️書籍情報

・『Versl’Aube』
出版社:ワニブックス
発売日:10月30日発売
価格:6,820円(税込)

・『瑠璃藍』
出版社:ワニブックス
発売日:10月30日発売
価格:3,850円(税込)

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