『ヒロアカ』最終決戦の爆豪勝己が「熱すぎる」と話題! 驚異的な成長とバトルシーンを振り返る

『ヒロアカ』最終決戦の爆豪勝己が熱すぎる

※本稿はTVアニメ『僕のヒーローアカデミア FINAL SEASON』のネタバレを含みます。

 10月から放送が始まったTVアニメ『僕のヒーローアカデミア FINAL SEASON』では、ヒーローとヴィランの最終決戦が描かれている最中。多数のヒーローたちが死力を尽くして戦うなか、目覚ましい活躍を見せたのが爆豪勝己だ。

 そこで今回は主にバトルシーンに注目しつつ、爆豪が最終決戦で果たした役割を紹介。大きな話題を呼んだ“アニオリ演出”についても取り上げたい。

 最終決戦の少し前から振り返ると、爆豪は個性「爆破」の新境地「クラスター」を極めようとしていた。これは能力を「溜めて」「放つ」ことの応用で、汗の玉を同時多発的に爆発させるというものだ。

 そこで爆豪が参戦したのは、死柄木弔を隔離した“天空の棺”での戦い。別の場所に飛ばされた緑谷出久が戻ってくるまでのあいだ、ベストジーニストやミルコたちと共に死柄木に猛攻を仕掛ける……という展開だった。

 爆豪はサポート科に作ってもらった装備を身に付け、「ハウザーインパクトクラスター」でその時点での最大打点を叩き出すのだが、死柄木にはいともたやすく防がれてしまう。「こんなに遠いのかよ」と彼我の力の差にショックを受ける爆豪だが、さらに死柄木から「君はどこまで行こうと緑谷出久(OFA)の金魚の糞だよ」と追い打ちをかけられるのだった。

 しかしまだその目は死んでおらず、個性は次の段階へ進化。「クラスター」の副作用が幸いして、全身からの爆破によってさらなるスピードを出すことに成功する。その速度はわずかなあいだではあるが、死柄木を翻弄するほどだった。ところがこの地点まで到達してもなお力が及ばず、最終的に爆豪は致命傷を負わされてしまう。

 心臓に大きなダメージを負った爆豪だが、エッジショットが命がけの救命措置を行った成果もあり、なんとか一命を取り留めることに成功。さらにその後、奇跡的な復活を果たす。それは折しもオール・フォー・ワン(AFO)の手によってオールマイトの命が奪われる寸前というタイミングだった。

 目を覚ました爆豪はすぐさま出久と連携し、猛スピードでAFOのもとに突撃するとオールマイトを救い出してみせる。オールマイトといえば爆豪がヒーローを目指すきっかけとなった憧れの存在であり、一度は自分のせいで「終わらせてしまった」と後悔していた相手でもあった。

 すなわちオールマイトの救出は、精神的な意味でもヒーローとしての実力という意味でも、爆豪の成長を象徴する出来事と言えるだろう。

爆豪の集大成!  AFOを終わらせた「ハウザーインパクト」

 続いて爆豪は肉体の痛みを通じて、「誘爆のタイミング」を徐々に掴んでいく。そして死柄木戦ではまだ不完全だった“副作用”のコントロールを完全にものにするのだった。いまやその個性が覚醒を果たした爆豪は、圧倒的な速度でAFOに攻勢を仕掛けてみせる。そしてAFOはこれまで“モブ”扱いしてきた爆豪を侮ることをやめ、強敵として認めるのだった。

 AFOは余力を残すことをやめて、自身が所有するすべての個性を一気に解き放つ「全因解放“全ては一つの目的の為に”」を爆豪にぶつけようとする。しかしその瞬間、突如としてAFOの頭が爆発。実はこの前の接触で、爆豪がAFOの口のなかに“爆発する汗粒”をあらかじめ仕込んでいたのだ。

 そして爆豪はダメージで力が乱れたAFOに対して、「ハウザーインパクト」を連発する。原作ではこのシーンの爆豪は見開きで数ページにわたって雄叫びを上げながら爆発を連発し続けており、圧倒的なカタルシスに満ちていた。

 そして感情の乱れで個性の“支配権”が弱まっていたAFOにとっては、この攻撃が致命傷となったようだ。かくして爆豪は、諸悪の根源・AFOを消滅させる立役者となるのだった。

 こうして振り返ると、最終決戦を通して爆豪は何度も屈辱的な敗北を味わい、不死鳥のごとくそれを克服することで覚醒に至ったことが分かるだろう。そもそも爆豪は雄英高校に入学した当初から、“敗北”を糧に成長を続けてきたキャラクターなので、その長い旅路の総決算がここで描かれたということもできそうだ。

 また爆豪の成長はたんなる個性のパワーアップではなく、精神面の進歩とも不可分に結びついている。初期の爆豪は1人で戦って勝とうとするプライドの高さが弱点だとされていたが、そんな姿はすでに消え去り、最終決戦ではひたすらに仲間たちと力を合わせて戦っていた。AFOを倒した後の“俺一人で勝てるワケがない”といったセリフは、まさにその変化を強く印象付けるものだった。

 なお、現在放送中のアニメ『僕のヒーローアカデミア FINAL SEASON』では、第3話から第4話にかけて爆豪の活躍が描かれることに。いずれも圧倒的な作画で話題を呼んだが、とくにAFO戦で決着の一手となった「ハウザーインパクト」の連発はド迫力で表現されている。しかもアニメオリジナルの演出として、かつてオールマイトがAFOに最後の一撃として「UNITED STATES OF SMASH」を放ったシーンがオマージュされていた。

 自分との戦いを乗り越えて、とうとう憧れのヒーローに追いついた爆豪勝己。歴史的大勝利の瞬間がアニメで描かれた今こそ、その活躍と成長の軌跡を振り返ってみてはいかがだろうか。

関連記事

リアルサウンド厳選記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる