『はたらく細胞』ノーベル賞発表で話題に? CV.早見沙織の秘書キャラだった「制御性T細胞」とは

『はたらく細胞』で描かれる制御性T細胞
10月6日、今年のノーベル生理学・医学賞が大阪大学免疫学フロンティア研究センター特任教授・坂口志文氏ら3人に贈られることを、スウェーデンのカロリンスカ研究所が発表した。その受賞理由として「制御性T細胞の発見」が挙げられていたことから、制御性T細胞が擬人化されて登場するマンガ『はたらく細胞』にあらためて注目が集まっているようだ。
『#はたらく細胞』原作・清水茜(@yellow_flame_)先生より、坂口志文先生のノーベル生理学・医学賞受賞のお祝いイラストをいただきました。坂口先生、本当におめでとうございます! pic.twitter.com/jkdwdOadbO
— 『はたらく細胞』公式 (@hataraku_saibou) October 7, 2025
『はたらく細胞』は体内にいる細胞たちを擬人化して描いた作品。シリーズ累計発行部数は1,000万部を突破しており、2024年に公開された実写映画は興行収入60億円を超えるほどの大ヒット作となった。
制御性T細胞が登場するのは、たとえばコミックス3巻に収録された「胸腺細胞」のエピソード。キラーT細胞に出動命令を出すヘルパーT細胞の秘書のような立ち位置で、クールで真面目なスーツ姿の女性として描かれていた。
さらに制御性T細胞は、5巻に収録された「がん細胞2」のエピソードにも登場。ここでは体内で猛威を振るうがん細胞をメモリーT細胞が攻撃しようとしたところ、「自己への攻撃は」「この私が一切許可しません」と制止する姿が描かれた。
作中の説明によると、「細胞(自己成分)や有益な細菌を攻撃しないよう、免疫細胞の働きを抑える機能を持っている」とのこと。しかし、元々自己から生じた細胞であるがん細胞のことは“異物”と見なさず、逆にそれを排除しようとする免疫細胞を抑制してしまうという。
アニメ版でもこうした活躍はしっかり描かれており、ファンのあいだでは「『はたらく細胞』のおかげで制御性T細胞のことを知れた」という声も多く上がっている。
なおアニメ版で制御性T細胞の声を担当している声優・早見沙織は、今回のノーベル賞発表を受け、自身のX(旧Twitter)で「受賞おめでとうございます! 『はたらく細胞』という作品で制御性T細胞 役で出演させていただいておりました。これを機に、あらためて制御性T細胞について知っていきたいと思います!」と祝福の言葉を送っていた。
受賞おめでとうございます!
「はたらく細胞」という作品で制御性T細胞 役で出演させていただいておりました。これを機に、あらためて制御性T細胞について知っていきたいと思います!(早) https://t.co/v5UTVZLNfT
— 早見沙織 Official (@hayami_official) October 7, 2025
「勉強になる」だけじゃない熱いストーリー
制御性T細胞にかぎらず、さまざまな細胞の働きを分かりやすくユーモアたっぷりに描いているのが『はたらく細胞』の大きな魅力だ。
たとえば血液の循環によって酸素や二酸化炭素を届ける役割の赤血球は、身体中にダンボール箱を忙しなく運ぶ郵便配達員のようなイメージで表現。その仕事の様子もリアルで、身体のなかに侵入してきた細菌に狙われて、白血球(好中球)に救ってもらうところなどがストーリー仕立てで描かれている。
さらに細菌などの異物を相手にしたバトルシーンも、ためになる知識が満載だ。第1話で白血球(好中球)が細菌を相手にしたときには、血管の壁をすり抜けて移動する「遊走」や、異物を強制的に体外に排出する「くしゃみ」といった身体の仕組みを利用しながら、華麗に敵を倒してみせた。
キャラクターたちの性格はそれぞれの細胞の働きを反映しており、異物を排除する白血球(好中球)やキラーT細胞は血気盛んでいつでも戦う相手を探している。その一方で同じく免疫細胞の一種にあたるNK細胞は、攻撃的ではあるものの、仲間たちと群れない一匹狼として描かれていた。
また細胞たちの仕組みをただ紹介するだけでなく、少年マンガ的な物語に落とし込んでいることも同作の特徴。たとえば普段いがみ合っているキラーT細胞とヘルパーT細胞は、かつては同じ時期に「胸腺学校」に通っていて、お互いをライバルとして認め合った仲だった。ちなみに制御性T細胞も2人の同期だったとされている。
今回のノーベル賞発表によって、ふたたび脚光を浴びている細胞たちの物語。数十年後には、『はたらく細胞』をきっかけに学問の世界に入った世代が有望な研究者になる時代も来るかもしれない。
【画像】ノーベル賞受賞を『はたらく細胞』公式、早見沙織も祝福!






















