なぜ1分でも遅刻をすると怒られるのか? モヤモヤを「社会学」でときほぐす『社会人1年目の社会学』

鈴木洋仁『社会人1年目の社会学』(クロスメディア・パブリッシング)が10月2日に刊行された。
【写真】「理不尽なこの社会を生き抜く、『社会学』はスキルだ。」
本書は社会人としては働き始めたばかりの人々が感じやすい、素朴で切実な「なぜ?」に、社会学の視点から答える1冊。著者は、関西テレビ、ドワンゴ、国際交流基金での12年間の勤務経験があり、東大で博士号を取得した、異色のキャリアをもつ現役の大学准教授・鈴木洋仁。
「遅刻は絶対にするな」とよく言われ、遅刻をすると上司や先輩に叱られる。しかし人と会う約束や、シフト制の店舗スタッフなどでない、ホワイトカラーであれば「成果を出せば、遅刻してもいいのではないか」「1分遅く来たなら、1分遅く帰ればいいのでは?」と考えられなくもないと本書。「労働契約で勤務時間が決まっているなら、1分の遅刻は1分の残業と相殺してもいいのでは?」と疑問を持つことは、決しておかしなことではないはず。
本書はこうしたモヤモヤや疑問、理不尽に感じる事象を45個取り上げ、それらが社会とどう結びついているのかを、社会学の概念や考え方を用いて解説。どんな悩みにも「すぐに効く答え」を提示するのではなく、なぜその悩みが生じたのかといった背景や構造まで掘り下げつつ、吉本隆明の「〈共同〉幻想」、ゴッフマンの「儀礼的無関心」、濱野智史の「擬似同期」といった社会学の概念を用いて職場の暗黙のルールを解き明かす。
■書誌情報
『社会人1年目の社会学』
著者:鈴木洋仁
価格:1,815円(税込)
発売日:2025年10月2日
出版社:クロスメディア・パブリッシング
























