【漫画】姉の飼い始めた犬がイメージと違った? エッセイ漫画『姉の犬から目が離せない』にほっこり

【漫画】姉の飼い始めた犬がイメージと違う

 嫌いではないものの、イメージから犬に苦手意識を持つ女性。よく家に行く姉が犬を飼い始めたと聞き、戦々恐々としながら初対面を果たすが……。

 吠えず暴れず落ち着いて遊ぶ犬との交流を描いた、漫画『姉の犬から目が離せない』の第1話がXにアップされた。本作は著者であるやまもと妹子氏(@yama_imo208)が、自身の経験をもとに制作したエッセイ漫画だ。

 今回はやまもと妹子氏に、創作の経緯や当時の心境について話を聞いた。(青木圭介)

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『姉の犬から目が離せない』(やまもと妹子)

ーー本作を創作した経緯を教えてください。

やまもと妹子:本作は姉が飼っていた犬との関わりを描いたエッセイ漫画の、第1話として創作しました。犬の名前はすずっていうんですけど、すずとよく一緒にいた頃に、面白かったエピソードなんかはメモに残していました。しかし今から数年前に久しぶりにメモを見返したときに、忘れていたことも多いと気づいたんです。このまま忘れてしまうのは寂しいと感じ、漫画として描こうと思いました。

 最初はあまり上手くいかなかったのですが、いただいた講評なんかを参考にしながら何度も描き直し、「第1回はちみつコミックエッセイ賞」で賞をいただいて。そのまま全5話の予定で連載のお話をいただき、第1話も掲載していただきました。

ーー本作は実話でしょうか?

やまもと妹子:基本的には実話です。すずとの関わりなんかは、本当にあったエピソードを描いています。ただ姉や義兄など私以外の人間も登場するので、その辺りは迷惑をかけないように少しフィクションも織り交ぜています。

ーー落ち着いたすずちゃんと怖がりながらも距離を縮めていく描写が魅力的でした。改めて、すずちゃんと初めて対面した際の印象を教えてください。

やまもと妹子:初対面のときは、隅で丸まっていたのをよく覚えています。実はすずは、元々野良犬だったということもあり、病気も患っていました。所々の毛はハゲてしまっていて、正直「怖い…!」というよりも「大丈夫…?」という印象だったと思います。

ーーその後、時が経つなかで印象は変わっていきましたか?

やまもと妹子:姉の甲斐甲斐しいお世話のおかげもあり、毛のツヤもよくなっていきましたし、病気もしっかりと治りました。でも元気になっても人のご飯にがっつくことはなかったですし、落ち着いた優しい性格はそのままでしたね。

 なぜすずを引き取ったのか姉に聞いたときに、「写真のすずの顔がすごく優しかったから」と言われたことがあるんです。姉はただ弱っているわけではない、すずの本質的な優しさを見抜いていたのかもしれません。

ーー漫画のなかですずちゃんを描くうえで、こだわった点は?

やまもと妹子:すずの魅力である“哀愁”が出るよう意識しましたね。見た目でいうと、すずの魅力がしっかりと伝わる作品にしたかったので、すずをかわいく描こうと頑張りました。

 また、すずに心の声をつけることはしたくなかったので、それもこだわりポイントです。

ーー第1話のなかで、漫画化するにあたり特に入れたかったエピソードはありますか?

やまもと妹子:人がご飯をこぼしてもがっつかないシーンは、非常に印象的だったので入れたかったです。ご飯のシーンを含め、おもちゃで優しく遊ぶ場面や帰り際に頷いて返事をしてくれる場面は、やっぱりどれも印象的です。返事なんかは、私が「返事をしてくれた!」と勝手に思っただけなんですけどね。

ーーイラストレーターとしてもご活躍されているということですが、絵を仕事にしようと思ったきっかけを教えてください。

やまもと妹子:小さい頃から絵を描くのは好きでしたが、全然本気で頑張っていたわけではなく落書き程度でした。大学も普通の大学を卒業し、就職が難しい時代でしたが、なんとか就職もしたんです。ただ専門的な技術を扱う職種で、新卒ということもあり「力になれていない」と感じる日々が続きました。採用の時点で技術がないことはわかってもらえていたので、上司は「学びながら戦力になっていってくれれば大丈夫」と言ってくれていたのですが、あまりにも力になれる気がしなくて……。ほかに内定がもらえず入った会社だったのもあり、「とんでもない迷惑をかける前に早く辞めなければ!」と思っていたんです。

 そのタイミングで、持ち込みや営業をかけて仕事をもらえればイラストレーターを名乗れるというお話を聞きました。早速賞に応募したり持ち込みをしたりすると、運よくそのまま小さい仕事をいただけたんです。業界のことを知らなすぎたので、逆に深く考えずに行動できたのが結果的によかったんだと思います。そこで味を占めて会社を辞め、なんとかイラストレーターとして今でも活動を続けている感じです。

ーー最後に、今後はどのような漫画を描きたいですか?

やまもと妹子:実は全5話の予定で連載していた本作ですが、読んでいただいた方の反響のおかげで、第6話以降も描けることになったんです。とりあえずプラスで3話分を描き、反響次第ではさらに続きも描けるかもしれません。今は、とにかく本作を面白く良い作品にできることを考えています。

 本作が完結した後も、大きな事件が起こらない日常を楽しんでもらえるような漫画を描きたいです!

◻︎『姉の犬から目が離せない』は「はちみつコミックエッセイ」で好評連載中!:https://888ce.over-lap.co.jp/series/4361/

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