新連載『呪術廻戦≡』宿儺はどこからやってきた? 本編につながる“呪術師のルーツ”の謎

※本稿は『呪術廻戦≡(モジュロ)』のネタバレを含みます。未読の方はご注意ください。
9月8日発売の『週刊少年ジャンプ』41号(集英社)より、『呪術廻戦』のスピンオフとなる『呪術廻戦≡(モジュロ)』の短期集中連載が始まった。芥見下々が原作、『暗号学園のいろは』の岩崎優次が作画を手掛けており、作中ではさまざまな衝撃設定が明かされている。
衝撃設定と“呪術師の謎”
今回はその設定をもとに、本編とも関係する“呪術師の謎”を考察していきたい。
同作の舞台は、「死滅回游」から68年後の世界。乙骨憂太と禪院真希の孫にあたる呪術師の兄妹、乙骨真剣(つるぎ)と乙骨憂花(ゆうか)が主人公となっている。第1話では2人が査察役の“マル”と共に、京都で多発している子どもの誘拐事件を捜査するところが描かれた。
マルの正体はシムリア星人を名乗る地球外生命体、いわゆる“宇宙人”で、地球人との共生の可能性を探りにやってきたという。冒頭では、マルが日本にいる呪術師たちのことを「我々に近い力を持つ人種」と呼ぶところも描かれている。
重要なのは、シムリア星人の見た目に既視感があるということ。すなわちマルや母船ナウナクスに控える宇宙人たちは、ほぼ人間に近い見た目でありながら、額に第三の目があり、顔や身体にタトゥーのような模様が刻まれているのだ。これは“呪いの王”両面宿儺の完全体を彷彿とさせるビジュアルだろう。
さらに宿儺は、平安時代に「堕天」という名で呼ばれていたという設定がある。この名についてはほとんど説明されていなかったが、『呪術廻戦≡』を踏まえると、「元々宇宙からやってきた存在だった」という可能性が考えられそうだ。
もちろん宿儺のルーツはすでに作中で触れられており、人間の母から双子で生まれてくるはずだったとされている。しかし生まれる前に自我が芽生え、“片割れを喰った”という異常な生い立ちには、何らかの形で地球外生命体の干渉があったと想像する余地が十分あるだろう。
そのほか母船ナウナクスを逆から読むと「スクナ」が含まれていること、マルが宿儺と同じ双子の生まれであることなども、気になるポイントだ。
その一方で、同作の描写からは「そもそも呪術師自体のルーツが宇宙人だった」という説も考えられる。
日本人しか呪力を持っていない理由
ここで注目すべきは、母船ナウナクスにいるシムリア星人の一人が、天元に近いシルエットをしていたこと。天元は不死の術式を持ち、1000年以上の時を生きてきた存在だが、老化によって人間離れした見た目と成り果てていた。その姿がシムリア星人に近いということは、両者が同一のルーツを持つことを意味している……とも解釈できるだろう。
「星漿体」や「薨星宮」、「盤星教」など、天元絡みのワードに“星”が絡んだものが多いことも、この説を裏付けているように思われる。
しかし天元は、自身の見た目の変化について、“進化”と捉えており、虎杖悠仁に対して「君も500年老いればこうなるよ」と語っていた。これは普通に捉えれば、人間全般に当てはまる話として受け取れるが、日本人に特殊な話とも解釈できる。
作中の世界では、呪術師は世界中に遍在するわけではなく、とくに日本に偏って存在している。『呪術廻戦≡』でも、呪力は日本人に特有のエネルギーであって、基本的に日本でしか呪術師は生まれないと説明されていた。
そしてあらためて念押ししておくと、呪術師とシムリア星人は“同じ能力”を持つ。つまりこうした設定が示唆しているのは、天元をはじめとする日本人自体が、宇宙人にルーツを持っているということではないだろうか。これが正しいとすれば、本編連載中から議論されてきた「なぜ日本人だけが呪力を持つのか」という問いの答えとなるだろう。
呪術師とシムリア星人には一体どんな関係があるのか……。今後の『呪術廻戦≡』で謎めいた歴史に触れられることに期待せざるを得ない。





















