アニメ『ちいかわ』、原作者・ナガノも絶賛のワケ アニメーションで補完される原作の”行間"

アニメ『ちいかわ』、原作者も絶賛のワケ

 TVアニメ『ちいかわ』第274話が9月9日(火)に放送された。ちいかわとハチワレ、モモンガの日常が描かれた今回のアニメに対して、原作となっている同名漫画の作者・ナガノが感想を投稿し話題となっている。

 このたび放送されたアニメ「涸れた」は数週間にわたって放送された物語。いつもならご飯が湧いてくる「湧きドコロ」が涸れてしまい、お腹の空いたモモンガはちいかわにちょっかいを出すシーンは原作でも2022年に描かれた。


 傍若無人なモモンガに困り果てるちいかわのもとに現れたハチワレ。ハチワレの提案で3人は夜の森へ採取に出かけることにーー。

 報酬のために採取に励む3人……と言いたいところだが、モモンガは横になりながら「ごはん~」と駄々をこねる。ちいかわはモモンガのことを思いながら浮かない表情を見せたり、モモンガのサボりが結果的に功を奏してたくさん採取できたりなど、なんとか採取に励むことができた3人。

 夜が明ける直前、ちいかわ・ハチワレ・モモンガは採取の報酬で朝定食を食べる。アニメ第274話「涸れた⑦」では朝ごはんを食べる3人が描かれた。そんなアニメの放送後、作者・ナガノはアニメの感想をイラストとともに投稿したのだ。

 朝定食を食べながら、笑顔を浮かべるちいかわとハチワレ。その背後に朝日が少しずつ昇っていき、朝へと近づくなか2人の輪郭は次第にぼやけていく。アニメでは朝日が2人を照らす様子やその変化が表現され、ナガノは「ここBGMの変化と映像がすご~く好きな回です」とコメントしている。

 また2人の背後から覗く朝日に対して、目元を手で隠したモモンガの台詞についても「『まぶしいックギ……』←ここも良い」とコメント。「クギ……」の部分は原作の漫画にはなかったものであり、モモンガが口にする台詞の余韻についても称賛した。

 ちなみに今回アニメで補完されたのはモモンガの台詞だけでない。眩しさから両目をつぶっていたモモンガは、ハチワレの「日が昇ってきた」という言葉を耳にした。するとモモンガは左目を少しだけ開ける。

 原作の漫画では片目を少しだけ開けるモモンガのみ描かれており、両目をつぶるモモンガはアニメのみで描かれた姿だ。映像として時間経過による些細な変化を表現したアニメ第274話「涸れた⑦」は、原作漫画の行間を上手く汲み取ったといえるだろう。

 高い解像度で「なんか小さくてかわいいやつ」たちの日常を描くアニメ『ちいかわ』。原作漫画の物語はもちろん、アニメも作者が称賛するクオリティで作られているからこそ、社会現象となるほどに多くのファンを虜にしているのかもしれない。第274話の後編「つっぱっぱ」についても作者・ナガノが称賛している箇所があるため、ぜひ各配信サイトで目にしてほしい。

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