【漫画】萌え袖に潤目、小悪魔な後輩に懐かれた? ホラーなオチにゾッとする『変な後輩に好かれる話』

【漫画】萌え袖小悪魔な後輩に懐かれた?

着想は夢から

――旧校舎を舞台にした先輩と後輩のBL作品でしたね。

ねむや:もともとは私が見た夢がベースになっていて、夢の中では孤島が舞台でした。内容は、何かに追いかけられた主人公に「匿ってあげようか」と話しかけたことをきっかけに仲良くなって部室に入り浸って星を眺めたり……。といったふわふわしたものでした。そこからホラーの物語に寄せるため、「誰も訪れない旧校舎に引き寄せられる」という要素を入れました。

——どのようにストーリー構成は進めましたか?

ねむや:「ホラーの話を描きたい」と考えていたので、オチは最初から決めていました。また、着想を得た夢から2人の出会い方も決まっていたので、あとは“間”をどれだけ違和感なく先輩後輩の“日常”として可愛く描けるかを考えました。「日常に実はホラーが潜んでいた」という展開のほうがゾッとすると思うので、急に温度差が感じられるように描写にしました。

――緩急があるほうがよりゾワゾワっとしますからね。

ねむや:そうですね。ただ、普段ホラー作品をたくさん描いているわけではないので、「これ本当にホラーか?」と不安になり、またXに投稿する時に「ホラー注意」と書くかどうかを迷いました。

——ちなみに、作中ではなく、あとがきで穣の過去を明かした狙いは?

ねむや:穣の過去はもともと考えてはいましたが、「作中に描くと怖さが軽減するかな」と思い、最初は明かす予定はありませんでした。ただ、載せた後に改めて読み直した時、「ただの意味不明な幽霊ではなく、こうなった原因をちょっと知ってほしいな」と考え、作中ではなくオマケとして付け足すことにしました。また、「事件の新聞記事みたいにしたい」という意識で漫画でなく文章にしています。

チビキャラを出す狙い

――駆と穣も夢からキャラデザなどを決めたのですか?

ねむや:はい。穣は夢の中で黒髪のふわふわした子だったので、ビジュアルはすぐ決まりました。一方、駆は「穣と対称的なほうがいいな」と思い、薄い髪色に髪を縛るビジュアルになりました。冬とかだったら髪下ろしててもいいのですが、なんせ夏の物語なので。

――可愛さがありながらも挑発的な穣の上目遣いにドキドキさせられました。

ねむや:「2人の身長差がない」などは完全に私の趣味なのですが、身長差がない状態での上目遣いを描く際には、かなりのあざとさを出すために意識していました。それと無表情をあまり出さず、常に微笑んでいるか笑っている表情を毎ページ出して、オチの温度差を出そうと思ってました。最後も笑ってはいますが。ただ、あざとさは駆を騙そうとしていたものではなく、「穣は本当に楽しんでいたんだろうな」と思うので、あくまで“無邪気な後輩”として描いています。

——上目遣いだけではなく、穣の萌袖の使い方がとても巧みでした。

ねむや:穣は幽霊ということで、「人の形を保つのが不安定で、それを少しでも隠すため」ということに加え、あざとい後輩の要素を表現するために萌え袖はこだわりを持って描きました。

——ちょくちょく登場するチビキャラも可愛かったですが、チビキャラを描く際、どのように意識して描いていますか?

ねむや:キャラクターの大きな特徴を意識して描いてます。例えば、ジト目がちの子はデフォルメ時には、その特徴をわざと大きく捉えて描いたりなど。

——チビキャラを登場させるタイミングにもこだわりはあるのですか?

ねむや:小さいコマやセリフの掛け合いが多いコマなどに登場させ、魅せたい大きなコマの引き立てになるよう、ページ全体で調節することがあります。あとはデフォルメで描くのが個人的に大好きなので、よく登場させます。(笑)

――今後の漫画制作における目標など教えてください。

ねむや:今年はいろいろ準備しているものがあるので、それを発信することをやっていきたいです。また、まだまだ描きたいものがいっぱいあるのですが、正直時間が足りません(笑)。これからもたくさん作品を描いていくので、見守ってもらえると嬉しいです!

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