荒木飛呂彦、芥見下々、萩尾望都のメッセージも 大阪万博で開催中の“漫画家95人の色紙展”が贅沢すぎる

大阪万博“漫画家95人の色紙展”が贅沢すぎ

 大阪・関西万博の会場で現在開催中の「Welcome to Japan:漫画家メッセージボード展」。展示されているのは、日本を代表する漫画家たちによる直筆の色紙、全95点。名前を見れば、誰もが一度は作品に触れたことがあるであろう作家がずらりと並んでいる。だが、この展示はなぜか今ひとつ知られていない。展示の内容を見れば、これは本来もっと話題になって然るべきラインナップである。

 たとえば、まずその名を挙げずにいられないのが荒木飛呂彦。『ジョジョの奇妙な冒険』は第9部『The JOJOLands』が現在連載中であり、まさに“今”を代表する作家のひとりだ。唯一無二の構図と線の強さは、色紙という限られたフォーマットにあってもその存在感を失わない。続いて、『僕のヒーローアカデミア』の堀越耕平、『呪術廻戦』の芥見下々、『キングダム』の原泰久、『FAIRY TAIL』の真島ヒロ、『東京卍リベンジャーズ』の和久井健といった、国内外に多くのファンを抱える超人気作家たちも参加している。

 また、今まさに注目を集めている新鋭作家たちの姿も見逃せない。2025年夏アニメの話題作『光が死んだ夏』のモクモクれん、『平和の国の島崎へ』の瀬下猛、アニメ化を経て熱量をさらに増した『メダリスト』のつるまいかだも参加。

 アニメやメディア展開を経て広く知られるようになった作家としては、『薬屋のひとりごと』をコミカライズするねこクラゲと七緒一綺も含まれている。さらに女性向けの人気作家も充実しており、『ゆびさきと恋々』の森下suu、『星降る王国のニナ』のリカチといった、繊細な感情描写に定評のある作家たちも色紙を寄せている。

 また、『ポーの一族』の萩尾望都、『ミステリと言う勿れ』の田村由美、『おやすみプンプン』の浅野いにおといったレジェンド級の作家も並ぶ。いずれも、作品そのものだけでなく“漫画という表現そのものの可能性”を問い続けてきた作家たちだ。

 SNSでは「空いていて快適だった」「内容が充実しているのに全然知られていない」といった反応も見られる。拡散数や話題性こそ控えめだが、その中身は、今の日本の漫画文化の“厚み”を感じさせるものだ。空いている今こそ、むしろファンにとっては絶好の“穴場”だといえる。

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